ここからはじめる観光学―楽しさから知的好奇心へ

観光は観光客にとっては普段ではありえないような体験を得ることができる。もっともその「観光」における影響について取り上げた学問が「観光学」であり、長年にわたって研究を積み重ねてきた。しかしながらその「観光学」はどのようにして研究を重ねていったのかは私たちにはよくわからない。その学問とは何か、経営・社会・文化などを中心に紹介している。

第Ⅰ部「観光と観光学」
そもそも観光とは何かというと、

「他の土地を視察すること。また、その風光などを見物すること。観風」(「広辞苑 第六版」より)

とある。今となっては特別なことである「観光」は観光都市であれば収入源、観光客であれば一度は行ってみたいことといったものがある。そうした中で第Ⅱ~Ⅳ部の中で商業・社会・文化への影響を考えた本が「観光学」である。

第Ⅱ部「観光の経営について学ぶ」
観光で商業的に潤うのが「土産品店」といった小売業や、名物を提供する飲食業、宿泊を提供する宿泊産業がある。観光名所や観光都市であれば当たり前のようにあり、私の住んでいる鎌倉もまた「観光都市」であるのだが、その観光都市と商業の関連性について考察を行っている。

第Ⅲ部「観光による地域再生について学ぶ」
観光は地域ぐるみになったり、「町おこし」につなげたりすることがある。もっとも観光に与える地域の影響はいったいどのようなものか、そのことを取り上げている。

第Ⅳ部「観光と文化について学ぶ」
観光は文化を再発見したり、あるいは文化そのものを掘り起こしたりすることができる大きなきっかけとなる。その文化を掘り起こす、あるいは再認識させるきっかけとしての「観光」はどのような役割か、そのことを取り上げている。

「観光学」とは何かと言うと観光名所を知るだけでなく、観光から文化・商業・地域など様々な観点からどのような影響をあたえるのか、そのことについて考察を行った学問である。その学問のイロハを知ることができる一冊が本書である。