ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から

ルポルタージュとしてはけっこう異色のようなタイトルである。というのは「科学」の現場について、むしろ科学における現場と言うよりも、時事的な統計や政治的な背景も絡めての「科学」であること、そしてアメリカでは「科学不信」には科学の授業が苦手というよりも、現在のアメリカ政治の中に「科学不信」と現大統領のドナルド・トランプの関わりがある。なぜアメリカ政治と「科学不信」が関わっているのか、その背景にはトランプの科学政策があるという。

第1章「自分が思うほど理性的ではない私たち」
人は学べば学ぶほど愚かになるのだという。そもそもその思想についても学びの豊富さによって民主党支持になるか、共和党支持になるのかが大きく変わってくる。私自身読書を数多く行い、知識を得ることがあるのだが、もっともその知識の深みはまだまだ達していないことからまだ自分自身が「愚か」だと考えているのだが、それはさておき先述の「学びの豊富さ」の中には地球温暖化や科学などの知識も支持層の変化としてある。

第2章「米国で「反科学」は人気なのか」
もっとも共和党支持層の中には、科学というよりも「宗教」の色が強く、支持層の中にはキリスト教原理主義がいるほどである。その宗教の意味合いからの反発心、さらにはエリートに対する反発心などから「反科学」が生まれ、人気となった。

第3章「科学不信の現場」
「科学不信」と呼ばれている要因として2つの説がある。一つは人などの森羅万象における想像を形成づけた「創造論」、もう一つは地球温暖化にまつわる証明に異を唱える「地球温暖化懐疑論」である。

第4章「科学をどう伝えるか」
そもそも「科学」は実験したり、証明したりして、論文を作るだけではない。私たちにメディアを通して語り継いでいくという役割を担っている。しかしその伝えていくためには何が必要なのか、そのことについて取り上げている。

本書を読んでみるとミスマッチに見えて、科学でありながら完全に「政治的背景」が色濃く見えているような気がしてならなかった。もっともアメリカではおおよそ8年単位で政権交代が行われている状況にある。民主党政権が取り戻したときアメリカ人の科学に関する考え方は変わるのだろうか、とも思ってしまう。

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