地方からの国づくり

地方から国へと言った動きは日本でもある。かつて「地方創生」と言う言葉が与党から出て、地方を強くすることをスローガンとしているのだが、実際にはなかなかうまく進んでいない現状がある。その現状から脱するために自治体の間の協力が行われているのだが、本書は主にタイにて自治体間協力を行うモデルをつくり、成功に導いた話を取り上げている。

第1章「自治体間協力という発想」
地方自治を強くするためには手段が数多くあるのだが、その中でも自治体の間で協力をするという「自治体間協力」と呼ばれるものがある。それをなぜタイに行うのか、その定義について取り上げている。そこには当時のタイの政治事情があった。

第2章「日タイ共同研究会の立ち上げ」
そもそもタイにて「自治体間協力」が必要なのか、そこには「JICA」の事業としての一巻で行われたのだという。日本で行われている「地方自治」や「地方分権」を諸外国に伝えていくというのが、タイをモデルケースとして挙げられたのかもしれない。

第3章「日本の自治体間協力に学べ」
日本では地方自治をよくするために「自治体間協力」が求められるようになった。そのことにより、経済的・政治的な部分での交流が深まっていくきっかけとなったのだが、そのタイにて自治体間協力が形式となっていった要因として取り上げている。

第4章「基礎自治体同士の連携」
自治体間同士での連携は「協力」をしていく中で必要なことである。しかしながらその必要なことをいかにして形づけていくのか、その基礎を築き上げてきた経緯を示している。

第5章「広域自治体との連携」
「自治体間」といっても都道府県といった括りもあれば、市町村と言った括りも存在する。そのなかでも前者に当たるのが「広域自治体」である。タイにも「県」なるものがあり、そのことで広域自治体としての連携をどうするべきか、日本をもとにして模索している姿が映し出されている。

第6章「プロジェクト成功の鍵」
地方自治を連携・協力することはタイならではの事情という課題はあったものの、それを一つ一つ解決に導き、成功に導くことができた。なぜ成功に導いたのか、背景について迫っている。

地方自治は日本独特なのかもしれない。それ故の課題も数多くあるのだが、それをタイに対して模倣できるモデルだったということをしることができ、地方自治のあり方を伝えることによる国債貢献もあると言うことを知ることができる一冊である。