シュリンクス-誰も語らなかった精神医学の真実

精神医学は21世紀の医学の中でも重要な位置を占めている。その理由として精神的な疾患を負う人が多くなり、なおかつそれに関する医療が進歩する必要があることにある。しかしながら精神医学は医学の中でも「異端児」として扱われ、なおかつ批判や疑惑にさらされてきた。その精神医学はどのような医療が行われ、学術的な進化を遂げてきたのか、その光と闇をアメリカ精神医学界の第一人者が綴っている。

Ⅰ.「診断をめぐる物語」
今となっては「精神科医」の存在は多くいるのだが、かつては精神医学自体が忌避される学問とされていた。その医学に関する診断をして行くのだが、その精神医療を行う中でも患者の観点から、あるいは医学的な観点から「忌避」されるようなことさえもあった。

Ⅱ.「治療の物語」
その忌避される医学に対して病を抱えている患者のために治療を行うことが度々あった。病に対していかにして治療していくのか、治療までのプロセスと治療法などを取り上げているのだが、その中には文章にするだけでも躊躇ってしまうほど生々しい治療法まである。

Ⅲ.「生まれ変わった精神医学」
精神医学は忌避される学問である医療であったのだが、その固定観念を脱するための活動も治療に合わせて続けていった。アメリカにおける精神医療の発展をすることに貢献し、さらに精神的な疾患の医療法を発展に貢献し、それが精神医学への固定観念を変換する一助にもなったという。

日本では精神医学の考え方は変わりつつあるものの、発展する前は偏見が見られた。アメリカでも同様のことがあり、著者自身が精神医学の発展に大きな貢献を果たした。その苦悩と栄光の記録がここにある一冊と言える。