まれびとパレード

人生を変えるきっかけは人とは限らない。それがものであったり、ことであったり、人間ではないものであったりすることも往々にしてある。

本書は4編にて別れているいわゆる「中編集」であるのだが、それぞれゾンビや座敷童、泥田坊、邪鬼と人間あらざるもの、いわゆる「まれびと」と呼ばれるものとの出会いによってどのように変わっていったのか、そのことを物語とした一冊である。

主人公は人間であるのだが、相手は過去に人間であったまれびと、もしくは元からまれびとだったものたちとの出会いによって人生を大きく変えることとなったという。

きっかけ自体はどのようなもの・ことになるのかはわからない。わからないからでこそ、本書のような出会いによって大きく変わることもあるのだが、怪物と蔑まれるような存在との出会いによってのハートフルな展開を見せることも本書の魅力の一つとしてあげられる。