首の鎖

何か「首輪」と呼ぶようなものがあるのかもしれないのだが、他人に縛られる、あるいは服従の如く束縛される問いような様相を見せることもまた本書のタイトルは「首輪」にほど近いものである。

そのタイトルにあるような起因が女性からしては母、男性からとしては妻の存在である。よく言われるものとして「私以外の人と関わらないで」というような発言で、他人との交流を拒絶させるような人もそうなのかもしれない。

しかし本書の主人公は2人とも他人の束縛・隷従・暴力に悩むことから「鎖」によって首を縛られ精神的に追い詰められている印象が強かった。ある種「生かさず殺さず」の地獄の様相であり、それが殺人事件にまで発展するミステリーというよりもサスペンスの要素が強く、義理の親子、もしくは夫婦の関係の「闇」をこれでもかと言うほどあぶり出している印象が強かった。