このままでは地球はあと10年で終わる!

環境問題にまつわる文献であるが、本書は誇張が多すぎるように思えてならない。しかも10年後のシミュレーターを多く使っており、その中でも最悪のケースばかり羅列しており果たして本当なのかと疑いたくもなる。

まず海面が88センチ上昇する話だがIPCCの第四次報告で確かに「9〜88センチの上昇」という明記はあったのは事実である。とはいえ88センチは言い過ぎではなかろうか。科学論者の多くは30年後には11センチ上昇するといっているのにもかかわらずIPCCのデータの特に最悪の部分を抜き出して誇張するようなメディアはいかがなものか。そして海面上昇の象徴とされているツバルだが、この根本原因は地盤沈下である。

海面が30センチ上がり島の面積が小さくなったという報道があるが、これについて最も研究をしていたのがオーストラリアである(どこの研究機関かはよくわからないが)。そこのデータでは実際に海面上昇をしたのはわずかに数センチであり、後の部分は全部地盤沈下であるという結果が出た。海面上昇説が多い日本のメディアだが、地盤沈下など様々な論拠も考察していかないと本当の環境問題改善にはならない。

私も環境問題にはいささか疑いの目を向けるのだが、自分なりの環境対策は行っている。しかしこれを言ってしまうと身も蓋もないのだが世界規模でやらないと意味がないというのが事実である。近年、人口が爆発的に増加することにより二酸化炭素の減少ができにくいということは容易に想像できる。そもそも地球温暖化の二酸化炭素説に懐疑的な論者も数多くいる。それでどのようにして地球温暖化を食い止めればいいのかというのはまさに手探りの状態である。

ヨーロッパでは環境問題に向けて先進的であるとされているが最も進んでいたのは日本で第1次オイルショックの時にはすでに工場の作業服が低コストであり環境にやさしい構造になっていたという。さらに京都議定書は明らかに政治的意図が含まれており日本にとっては最も厳しいのは明白である。

90年というのは日本の二酸化炭素排出量が中でも少なかった年でもある。ちなみにドイツは東西統一により排出量が急激に上がった年でもありほかの国々も環境問題についてほとんど手付かずの状態だった。

環境問題を論じるのはいいことであるが、最近の環境対策は何かあからさまな政治的利権、もしくは政治的意図が絡んでいるように思えてならない。「エコ」が「エゴ」のように思えるのは私だけであろうか。