友だちはいらない。

なんともインパクトのあるタイトルである。自分自身は友だちや仲間はそれなりにいるのだが、それが負担になるようなこともあったのだが、著者は友だちがいたものの、必要がなく、もっと大事なことがあるという。そもそも友だちは著者にとってどのような存在なのか、そして友だちはなぜ不要なのかそのことを自らの体験で持って綴っている。

第一章「友だちは幻想である」
著者はそもそも友だちは幻想そのものであり、相談をすることはまずなく、やりとりそのものが幻想であるという。また言葉にしても、自分自身としての「顔」とは何かも取り上げている。

第二章「子ども時代はいじめられっこ」
著者は子どもの頃、友だちはいたのだが、その友だち自体が裏切りの温床だった。そのことによりいじめられっこになってしまい、また彼女ができてもデートで負担を覚えてしまうなどもあったのだという。

第三章「人間は孤独であるという当たり前の事実」
そもそも人は生きていく中では「支え」はあるにしても、基本は「一人」である。もっとも孤独と言うことは前提にあるため、その上でどのように生きていくのかも含めて解いている。

第四章「“小さきもの”は人間が生きる上で不可欠な存在」
「小さきもの」とひとえに言っても、様々な種類のものがある。その種類はいかなるものなのだろうか、そのことも併せて取り上げている。

第五章「友だちは死んだ人でもいい―読書のススメ―」
そもそも友だちは作るべきなのかというとそれは幻想だから必要ないと言ってるにもかかわらず、二律背反のことを言っているようなタイトルである。しかしながらその友だちはあくまで生きているものではなく、本の中に出てくるようなものを表しており、その読書の中で得られるものがあるとしている。

第六章「仕事をしよう―僕の職歴―」
著者自身はアニメーション演出家やゲームクリエイターなど様々な仕事を行ってきたのだが、その遍歴を自らの思い出と共に綴っている。

第七章「一番必要なのは友だちなんかじゃなくて……」
友だちは必要ない、しかし人と人との関係は切っても切れない。その上で、どのような関係性がよいのか、友だちではない関係性について述べている。

友だちという言葉にはけっこう違和感を持っているという。かくいう私も友だちと言うよりも、知り合い・仲間といった定義が良いのかもしれないのだが、過度に友だち作りをして、自分のやりたいことができなくなることよりも、心身ともに負担を作ってしまうのではないかと考えてしまう。「百害あって一利なし」とまでは言わないが、友だちのデメリットの方が大きいということを知ることのできる一冊である。

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