言ってはいけない宇宙論 物理学7大タブー

4月9日史上初の国立天文台が世界で初めてブラック・ホールの画像を撮影し、公開された。宇宙の議論の中ではかなり話題となったのだが、昨年の3月に逝去したスティーヴン・ホーキング博士が宇宙論の第一人者として牽引してきた宇宙論の世界は、宇宙の広さと同じように展開していったその一方で、タブーと呼ばれるものまである。そのタブーとはいったいどのようなもので、なぜその理由なのか、そのタブーを取り上げている。

タブー1「陽子崩壊説」
素粒子に関する研究の中で有名なものとして2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊教授が提示した「ニュートリノ」がある。そのニュートリノの解明をするために「カミオカンデ」が使われるのだが、それを利用した研究が進む一方で陽子崩壊の研究も行われているのだが、その研究がタブーとされているという。

タブー2「ブラック・ホール大爆発」
冒頭でも書いたようにブラック・ホールの画像が世界で初めて公開され、宇宙論の中でもっともホットな部類に入る。そのブラック・ホールが爆発をするといった学説があるというのだが、その爆発がなぜタブーとして見られているのか、そこには物理学といった観点にあった。

タブー3「エヴェレットの多世界解釈」
本章で紹介される解釈は1957年に当時プリンストン大学の大学院生であったヒュー・エヴェレット3世によって提唱された学説である。その学説は発表された当初は学会で冷笑の的であったのだが、やがて解釈が進むにつれて有名なものになっていった。

タブー4「異端の宇宙」
宇宙は有限なのか、無限なのかはまだまだ議論が絶えない。それ以前に宇宙として解明されていないものもあり、奇想天外なものであった宇宙人についてもいる可能性も微細でありながらも残っているほどである。そのため宇宙は未だに解明されていないところで可能性が膨らんでくる。その中でも「異端」なるものもあるのだという。

タブー5「ダーク・マターとダーク・エネルギー」
アニメや漫画などに出てくる見るも無惨な料理、ではなく、宇宙に視認できない物質のことを表しており、なおかつエネルギーもまた同様である。そもそもダーク・マターやダーク・エネルギーの正体とは何か、というと議論が続いており、未だに解明されていない。諸説あり、その説を巡って今もなお激しい議論が繰り返されている。

タブー6「量子重力」
宇宙の議論を行っていく上で、様々な学問が絡んでいくのだが、その中でも量子力学と言ったものがあり、力が作用しているためか「重力」と言ったものも存在するのだという。本書はその議論を指摘しているのが、以前に書評した「超ひも理論」にも言及している。

タブー7「人間原理」
宇宙と人間の差はどこにあるのか、そして人間とは違う生命体が宇宙にいるのか、そのことについて取り上げているのだが、タブー3について言及した宇宙人の存在もまた本章にて言及している。

宇宙論は今もなお様々な角度からの議論が続いており、なおかつその議論が発展することによって宇宙の可能性が広がっていく。しかしそれは開発競争における「バベルの塔」のように見えることも否めない。宇宙における議論もタブーや反論と言ったものがあるとあたかもそれがあるように見えてしまう。本書はそのことを連想させた一冊である。

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