いのちを救う災害時医療

「災害(天災)は忘れた頃にやってくる」と言う言葉がある。しかしながらここ最近では忘れていないときにもやってきており、特に台風は毎年のように上陸しており、場所によって甚大な被害をもたらす。昨年上陸した台風15・19号は今もなお爪痕を残している。

そこで本書である。災害発生時に、医療は大事になってくる。災害により怪我を負う、あるいは二次災害における病気なども発生することも往々にしてある。その中で災害時医療が大事になってくるのだが、そもそも災害時における医療はどのような医療を示しているのかを取り上げているのが本書である。

第1章「東日本大震災が起こったとき」
本章では今から9年前に発生した「東日本大震災」における災害医療を取り上げている。本災害では地震・津波における被害の他にも原発事故における放射能における被曝もあった。そのなかで消防士や救急救命士、レスキュー隊員など警察・消防のほかにも自衛隊における救助や医療も行われたほどである。

第2章「災害って、なに?」
災害というと台風や地震といったものもあるのだが、他にも火山噴火、大雪(豪雪)、大雨(豪雨)、火災(大火)などが一例としてある。もっとも災害における定義は1961年に定められた「災害対策基本法」が詳しい。

第3章「災害時の医療とは」
災害時に活躍するものとして「ドクターヘリ」が挙げられる。ドクターヘリというと、以前当ブログで取り上げた「ドクターヘリ―“飛ぶ救命救急室”」「フライトナース」が詳しい。もっとも災害時医療とよくある一般的な医療との比較というと、特に災害となってくると必要な医療が災害の内容や規模などにより変わり、なおかつ医療を行うにも刻々と変わってくるため、変化に対応することもまた大切になってくる。

第4章「日常は災害だらけ」

「災害時の医療はジャズ演奏に似ている!」(P.149より)

とあるが、この文面を見ただけだと思わず「?」と頭に浮かんでしまう。しかしながらジャズは即興性や急造でグループを組み、その場でリズムなどの決め手演奏をする事もあるため、ジャズ演奏と災害時医療と通ずるところがあるのだという。
もっとも災害はもはや日常茶飯事のごとく起こっており、なおかつ本当の意味で「突発的に」やってくる。その時、臨機応変に対応を行うことも災害時医療では求められる。

第5章「中学生のみなさんに、伝えておきたい大事なこと」
本書は「14歳の世渡り術」のシリーズとして刊行されており、中学生を対象にしている。そのため中学生の方々へ向けて何を行ったら良いのか、大事なこととは何かを伝えている。基本のことかもしれないのだが、その「基本」こそ、後の突発的な災害に対応できることで大きな役割を持つことができる。

災害はかくして「想定外」と呼ばれる事象も起こる。その状況から命を救うために何を行ったら良いか、特に刻々と変わっていく中で求められるのが災害時医療の根幹であり、医療ほどではないのだが、私たちもまた災害に対して何を行ったら良いのか常日頃から準備をすることが大切である。

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