葬儀社だから言えるお葬式の話

新型コロナウイルスの影響に伴い葬儀業界でも苦悩にあえいでいる。その理由としてはコロナウイルスの影響による逝去の場合は、感染への影響から葬儀を行うことすらできず、逝去後初めて出会うのは荼毘に付された時、つまりは火葬後に初めて骨となって出会えると言うような状況である。

今回ばかりではなく、葬儀業界では様々な「変化」が起こっているのだという。ではどのような変化があり、なおかつ遺族たちに立ちはだかった困難や今だからでこそ考えるべき事を葬儀業界の方直々に取り上げている一冊が本書である。

第1章「そもそもなぜ「葬儀」が必要なのか?」
かつての葬儀となるとできるだけお金をかけて、なおかつ大きな会場で多くの人に見送られるといった事が多かった。しかしながら最近では「家族葬」など家族と行ったほんのわずかな人たちだけで行うと行った風潮も少なくない。さらに言うと中には葬儀そのものを行わず、お別れ会だけにして、そのまま火葬まで行い、荼毘に付すといった流れで行われることもある。しかしながら今日の時代において派手な葬儀を行うよりも、遺族たちはお金も時間もない限られた時間の中で葬儀を行わざるを得ず、それに葬儀社が応えるといったことからこじんまりとした葬儀など、多様な葬儀の在り方が出てきている。

第2章「あなたにも起こりうる「後悔する葬儀」」
葬儀の仕方についても遺族の間、もしくは遺族と葬儀社の間で一悶着あるようなことも往々にしてある。特に国民生活センターへの相談についても葬儀サービスにまつわる相談が年々増えてきているのだという。そこには遺族たちとの隔たりはもちろんのこと、遺族と葬儀社、さらには病院との隔たりによってのトラブルも出てきているという。特に本章で取り上げられるのが「遺族」「病院」「葬儀社」の三者間のトラブルが中心に取り上げられている。

第3章「本当に遺族が困ること」
本章では相続はもちろんのこと、葬儀に関するお金のトラブルについても言及しているのだが、できる限り少しでもトラブルを緩和するために「エンディングノート」のすすめについても取り上げている。

第4章「葬儀にまつわるお金の話」
葬儀には少なくとも数十万のお金が発生する。もちろん規模や携帯によっては料金も変わってきており、中には数百万するような葬式さえもある。そもそも葬儀にかかる費用は何を意味しているのか、葬儀の装飾などの費用もあるのだが、もっと「葬儀」の気持ちなどを含めたところにあるのだという。

第5章「いますぐに決めておくべきこと」
後悔しない葬儀、あるいは故人を偲ぶにはどうしたら良いか、葬儀社の立場から提言をしているのだが、お墓の選び方はもちろんのこと、葬儀社が言う言葉にも気をつけなければならないところがあるのだという。特に葬儀に関しての見積もりなどの事前相談については葬儀社ならではのことが網羅されているため、もしも葬儀をしなければならないときには頭に入れておくと良いものばかりである。

「まだ先だから」という人もいるかもしれないが、葬儀に関わるのはもしかしたら明日、もしくは今日になってくることも考えられる。突然やらなければならないことが出てくる中で葬儀を選ぶ間もなく決めなければならない時には冷静に決めることはなかなか難しい。その影響によってトラブルも起こりうる。だからでこそ、いまから葬儀について考える、あるいは下準備のために本書に目を通すことも遅くはない。

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