クルマ買取り ハッピーカーズ物語

サンライズパブリッシング様より献本御礼。
著者は車の出張買取として事業立ち上げから急速に成長を遂げてきた。しかし事業の立ち上げを行う前は、一介のサラリーマンであり、営業を行ってきたが、一念発起して独立、本当の意味で「様々な道」を経て現在に至っている。この「様々な道」を経ていったところが、本書の中に秘められており、周囲から見たら廻り道を繰り返しているように見えているのだが、実を言うとこれがビジネスを成功するための大きなきっかけとなった。

また本章の帯には、

「無能こそ、究極のスキル。可能性こそ、最大の資産。」

と書かれている。端から見ると廻り道となった道は帯に書かれていることを体現しているが、その言葉のきっかけとなったものは何か、著者が興した事業の物語と共に綴っている。

第1章「熱狂できることを探せ」
本章では就職を行い、会社を辞め、ハワイへと行き、デザイナーに転身し、転職や独立を経て現在の会社を興した。端的に言えばこのようになるのだが、具体的になると、本当の意味での転々としながらも、幅広く、なおかつビジネスとは何かの質問の答えを探し求めながら進んでいった印象にある。

第2章「大失敗から学んだ、逆転の発想~ハッピーカーズの誕生秘話」
もちろん新しいことを行うと失敗はつきものであるのだが、著者は現在の事業の中で大きな失敗を経験している。この大失敗を通じて大きな壁に当たることもあったのだが、発想を大きく変えて「逆転」をすることとなった。

第3章「ビジネス成功の原点は“何もしないこと”」
本章における成功と原点は、「経営者として」のことである。「何もしない」というのは非経営者の中には悪いイメージを持たれるかもしれないのだが、実際には「無駄なことをしない」所にある。利益を求めるために、どのような舵取りを行うのか、新しい概念を見つけるためのことなどを提示している。

第4章「経営はサーフィンが原点」
人生にしても、経営にしても何が起こるのかわからない。また「トレンド」や「チャンス」についても同様であり、どのような「波」が来るのかもわからない。だからでこそ、「波に乗る」と言う意味で「サーフィン」の経験が、著者自身の経営に大きく活きている。

第5章「仕事とは、生き方の表現である」
仕事観は人それぞれである。私のように己が愉しみに浸るためのものであれば、生き方そのものをいかにして体現していくか、それぞれにかかっている。また仕事をするにしても「環境」にしろ、「時間」にしても、一つ変えていくことによって、考え方も変わる。

著者自身、幅広い仕事を行ってきたのだが、それが全てビジネスの中に役立てられている。そしてそのビジネスは形を変えていきながら、今日もまた可能性を追い求めていき続ける。その姿を見た一冊であった。

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