日本の未来

2015年の1年間の間「週刊新潮」における「日本ルネッサンス」というコラムにて連載されたものを書籍化したのだが、元々書籍となったのが2016年、そして今年文庫化された。

そのため本書にて取り上げる評論は2015年の国内外の政治や国家においてのことを表している。特にアメリカの場合は大統領が代わったことにより、潮流が大きく変化している。では日本はどうかというと首相は代わっていないのだが細かい所で変化をしている。

本書は2015年の評論を元にし、現在の日本において何が必要なのか、地続きな形をして提示している。

第1章「「情報」こそ国家の礎である」
現在の社会において「情報」は重要な要素を占めている。その情報を収集するばかりでなく、「印象」として「操作」をする事もまた、一つの手段であるのだが、今日の沖縄にしても、慰安婦にしても、現在では徴用工にしても、また然りである。

第2章「より強く、逞しい国になるために」
よく著者の本では「強く」を「勁(つよ)く」と表現することが多かった。そう考えていたから本章のタイトルは少々の違和感があった。
それはさておき、日本の周囲には様々な「脅威」に囲まれている。その中でも際だって「脅威」となっているのが中国である。それは日本のみならず近隣のアジア諸国、さらにはアメリカに至るまで「脅威」となっているその脅威を守るために「強く」あることが必要である。

第3章「米中の動向から未来を読め」
アメリカと中国は中心にいるようであるのだが、その動向によって世界の潮流は代わってくる。その変わってくる中でどのような未来が映し出されるのか、どのように読むのか、そのことを取り上げている。

第4章「戦後70年、歴史を乗り越えて未来へ進め」
2015年で大東亜戦争が終焉して70年の月日を迎える。その終戦記念日に「安倍談話」が発表されたのだが、その談話には賛否両論があった。しかし過去には河野談話や村山談話のように自虐史観を持ってしまっているのだが、そうではなく、「歴史を乗り越える」ことが大事になる。

第5章「平和安全法制を正しく知るために」
平和安全法制は当時連日のように放送され、大規模なデモまで行われたこともあった。もっとも日本とアメリカをはじめとした国々が中国をはじめとした「脅威」から守ることもまた国を守ることの一つである。そのことをキチンと理解できているかというと首を傾げてしまう。

第6章「今こそ日本の国力を世界に示せ」
日本はまだまだ底が知れないほどの強さを持っている。その強さを理解し、それを国外に示すことが大切になってくる。

本書は2015年に連載されたコラムであるのだが、それから3年経ったため、状況が変わっており、それぞれのコラムに【追記】という形でその後のことを記載されており、「現在」に合わせている。4年前であるのだが、現在進行形のこともあるため新鮮味がある一冊である。