宇宙には無数の銀河が存在しており、研究の中でまだ解明されていない者も多数存在する。それだけ宇宙は「無限」に限りなく近い場所とも言える。その宇宙のかたちは現在知られている中でどのような存在なのだろうか、本書は「図解」として取り上げている。
第1章「宇宙の階層」
季節は冬となりつつあり、空気も澄んできた。そのため夜になると悪天候ではない限り星が見える。しかもハッキリとして。その星々を見てみると惑星や恒星、さらには星を並べた星座などありとあらゆる星々を見ることができる。しかも私たちの肉眼では見えないところにも惑星は存在しており、限りなく無限に近い階層があることがわかる。
第2章「大規模構造の発見」
宇宙にまつわる研究は進められており、その中には、「宇宙構造」なるものも存在する。宇宙構造は近年だんだんと進みつつあり、「大規模構造」なるものも発見したのだという。どのように発見し、なおかつどのような構造なのかを取り上げている。
第3章「大規模構造の形成」
前章に引き続いているのだが、本章ではあくまで「形成」と言ったところが中心であり、原子レベルでどのように構成されているかを説明している。宇宙そのものにもどのように形作られたのか、また宇宙でよく言われる「ダークマター」の存在についても言及している。
第4章「宇宙の初期ゆらぎ」
本章は少し物理的な部分の議論になってくる。宇宙には「ゆらぎ」といった物理的な運動があり、その揺らぎは初期からどのように変わったかについても論じている。
第5章「大規模構造の定量化」
宇宙における構造を「定量」とすることができるのかと言うと、想像が付かない。しかし本章では相関関数をはじめとした公式を用いて「定量化」することのできた所を取り上げている。
第6章「大規模構造の形状」
宇宙における「形状」はどうであるのかは今もなお解明できていない。しかし本章ではその中でも一つの説として扇形の形状をしているのではないかと指摘している。
第7章「赤方偏移空間」
「赤方偏移(せきほうへんい)」とは、
主に天文学において、観測対象からの光(可視光だけでなく全ての波長の電磁波を含む)のスペクトルが長波長側(可視光で言うと赤に近い方)にずれる現象を指すWikipediaより
とある。天体の光によって色が変わり、特に光の度合いが強くなることによって赤くなる事を表している。銀河においても、星と太陽光の当たるところによって赤くなる度合いも変わってくる。その赤方偏移の空間について取り上げているが、天文学でも有名な「ハッブルの法則」も本章にて言及している。
第8章「バリオン音響振動」
宇宙において音は響くのかどうか、と言うのをバリオン音響振動によって考察を行っている。もっとも宇宙で実際に音を鳴らすと言うよりも、物理的な相関関数によって理論的に表すのみである。
第9章「ダークエネルギーと大規模構造」
宇宙にはダークマターを含めたダークエネルギーも存在するのだが、そのダークエネルギーの発生源は何か、大規模構造にどのような影響を与えているのかを取り上げている。
第10章「宇宙の性質と大規模構造」
大規模構造から見た宇宙の性質はどこにあるのか、曲がるような所があるのかなどを見ているのだが、本章で取り上げていく中でニュートリノにも言及している。
第11章「宇宙はどこまで解明できるのか」
宇宙にはまだ未解明なところが数多くあり、天体観測を行っていても、新発見と呼ばれる者が多々ある。私たちの見える「宇宙」はどこまで広がっていくのか、未だ未知数である。
本書は「今わかっている」、もしくは「研究している」段階での宇宙を図解にして取り上げているのだが、宇宙理論が多くあるため、物理や宇宙についてある程度勉強したことがある型であればわかるのであればそうでない方であれば、まず入門書から学び本書を見ていくことである程度わかるようになる。
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