(株)スタジオビビ 乙丸様より献本御礼。
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来月に投開票される予定の東京都知事選の候補者となるであろう一人に前宮崎県知事の東国原英夫氏が挙げられている。
宮崎県の1期4年間の実績を軸にアピールしたい所の中で本書が出版された。本書は宮崎県知事を勤めてきた中で日本の国政などを見たり議論したりすることができた。その中で国政への違和感とどのように変えていったらよいのかを本書でまとめている。そして東京都知事に立候補することは東国原氏はこう思ったのだろう。
「日本をどげんかせんといかん!」と。
1.「シガラミが日本を滅ぼす」
東国原氏が最初に手をつけたのは「シガラミ」からの脱却だった。知事を体験していく中で「地方交付税」という言葉が使われるようになってから官僚の既得権益が見えてきたのだという。
2.「閉塞感を打ち破れ!」
知事就任初年度から宮崎のPR大使として様々なメディアに出演した。これに関しては政策秘書であったクロマニヨン吉川(吉川敏夫)氏の「知事まさか今夜もピザですか 東国原宮崎県知事秘書の365日」が詳しい。
本章で一番印象に残ったのは最初、「要望、クレーム、誹謗中傷はすべてに目を通した」ということである。「要望」はさることながら「クレーム」や「誹謗中傷」まで目を通すのはなかなかできない。東国原氏の人間性、と政治的使命感が強いことが窺える。
3.「シロウト革命」
東国原氏は県や市などの議会議員を務めずに初めて政治の世界に知事として初めて就いた。政治に関する勉強や研究は行ってきたが、実際の場で発揮するかどうかも未知数であった。
もう少し言うと宮崎県知事選では「保守分裂」や野党勢力も振るわなかったこともある。さらに「どげんかせんといかん!」という言葉が有権者の心に印象づけたとして東国原氏が当選となった。
無所属であり、どの党にも推薦などが無かったこともあり、「オール野党」状態で議会は始まった。そこから「シロウト」による革命が始まった。
4.「日本の誇り」
日本としての誇りの一つとして「逆境に負けない強さ」がある。本章で紹介されているように、宮崎では「口蹄疫」や「鳥インフルエンザ」があった。東国原氏はその苦しみとも闘いながら様々な逆境を乗り越えた。東国原氏も逆境に強い人であるが、これは日本人にも同じ事が言えるかもしれない。その大きな要因として現在進行形としてある「東日本大震災」にある。
国内最大規模にあるにも関わらず、わずかな希望や使命感をもって救助や復興にあたる姿はこれまでの災害や逆境を乗り越えて世界を驚かせた。それが今回体現されているのではないかと考える。
5.「苦渋の日々」
東国原氏が宮崎県知事に就任した直後から困難は始まった。第3章に書いたような「オール野党」もあるが、それ以上に「鳥インフルエンザ」が発生したところからである。
この「鳥インフルエンザ」は前例がない。県職員も及び腰であったが、「シロウト」の強さを前面に押し出し、現地を視察し、作戦を立て、実行していった。そこから前例は生まれ、組織を変えるのだという。
6.「リーダーに必要なもの」
ここではビジネスのリーダーと言うよりも政治的なリーダー、地方自治体では市長や知事と言った所、国政では首相に当たる人物像はどうあるべきかについて書かれている。しかしビジネスでも通じる所がある。
現在ニュースでは都知事候補を正式に表明していないものの、都知事に立候補するか、もしくはそれとは異なった場所から立候補をするのかもしれない。いずれにせよ、地方、もしくは国から日本を変えていこうという心は東国原氏にはある。その実行の場はどこか、彼の胸の内にあるが。
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