世界史の大逆転 国際情勢のルールが変わった

歴史には様々な変化が起こり、国際情勢も歴史以上に変化のスピードが速い。列聖だった国が大逆転して優勢になり、小国だった国が、大国にまで進化を遂げることも往々にしてある。その歴史にまつわる大逆転はどのようにして起こるのか、本書では先進国などの国際情勢をもとにして展望を明かしている。

第1章「米朝首脳会談後の東アジア」

2018年6月にトランプ大統領と金正恩委員長の米朝首脳会談が行われ世界的に注目が集まった。その会談によって北朝鮮を含めた東アジアの情勢はどうなっていくのかを取り上げている。

第2章「国際情勢は「感情」で動く」

人間は論理で動くのだが、それ以上に動くのは他の動物と同じように「感情」である。感情をどのようにしてコントロールをしていくのか、特にトランプ政権ではトランプを引き合いに出しながら取り上げている。

第3章「核抑止から核拡散の時代へ」

戦後から核を保持した冷戦が行われ、冷戦が崩壊してから核抑止に関しての議論が活発化されたのだが、一向に抑止される気配がない。もっというと北朝鮮やイランなども核保有に向けて動いている。そもそも情勢としては核抑止を掲げていることとはうらはらに、核拡散が起こっていると著者は見ている。

第4章「混迷する中東と「脱石油」の衝撃」

中東は石油の生産で潤いを見せていたのだが、脱石油の動きが見られるようになり、混迷を極めている。財政的にも陰りが見え、なおかつ数年前からISILなどの過激派のテロなどが多発するなどもある。

第5章「AIが世界の「常識」を覆す」

ここ最近ではAIの技術が私たちの生活に関わるようになってきた。AIの技術を巡っては各国が新しい技術を開発し、しのぎを削っているのだが、AIの進歩により政治や国際情勢が変わってくるのか、展望を述べている。

第6章「民主主義はもう限界なのか」

世界各国が採用している「民主主義」の概念自体は限界を迎えており、新しい帝国時代に入ってくるのではないか、と著者は見ているのだが、その背景としては「危機対応」の遅さ、もしくは対応自体ができなくなってしまう、といったリスクがあり、迅速に対応するためには独裁者の存在も必要なのではないかという見方である。

歴史は変化する。昨今でもイギリスのEU脱退、またアメリカでもおそらく来年1月には大統領が変わるなど、これまでも、そしてこれからも大きな変化がある。その「変化」の中にはさらなる大逆転があるのかもしれない。