睡眠障害 現代の国民病を科学の力で克服する

日本人の睡眠時間が短いと言われて久しい。今年2021年のブレインスリープ社の調査では2020年では日本人の平均睡眠時間が6時間27分とを比べると、6時間43分と16分伸びたというニュースが出た。しかし世界的に見てもまだまだ短い見方は変わらない。

もともと睡眠は人間としての生活の中で最も欠かせない要素の一つであるのだが、その欠かせない睡眠ができない、いわゆる「睡眠障害」を抱える人も少なくない。その睡眠障害うの原因と対処方法についてを取り上げているのが本書である。

第1章「日本人の睡眠が危ない!」

元々睡眠は脳や身体に休息を与え、翌日の活動における活力と、免疫を向上させるために必要なことである。特に日々の活動を行うためには休息や睡眠は不可欠であるのだが、それがうまく睡眠ができない、あるいは状況によって睡眠のリズムが崩れると言ったことも起こり、弊害を起こすこともある。その睡眠不足は時に世界的な大惨事を引き起こす引き金ともなったことがある。

第2章「睡眠障害と睡眠薬」

「睡眠障害」は一種の病気であるのだが、その中で最も多いのが「不眠症」である。その原因は生理的な環境や身体の悪影響など様々な要素がある。また不眠症に関する中での治療に「睡眠薬」があるのだが、睡眠薬にも種類があり、不眠症の度合いによって服用する睡眠薬も変わってくる。

第3章「「日中眠くなる」という睡眠障害」

睡眠不足も、睡眠障害を起こす要因の一つであるのだが、実はいわゆる「寝過ぎ」と呼ばれる「過眠」もまた睡眠障害を引き起こす要因にもなる。あまりとりあげられないのだが 「過眠症」と呼ばれる一種の睡眠障害であり、睡眠不足のような症状を引き起こすこともある。また症状によっては死を引き起こす「睡眠時無呼吸症候群」やナルコレプシーなどもある。

第4章「生体リズムを乱す睡眠障害」

人間にはホルモンがあり、そのホルモンには活動的にする一方で、睡眠を促すようなホルモンもある。また睡眠を促す要素はホルモンばかりではなく「メラトニン」もまたその一つとして挙げられる。メラトニンやホルモンを分泌すること、さらには体温の変化により、睡眠を促進することもまた生体リズムと呼ばれる人間独特のリズムである。

しかしそのリズムが崩れると睡眠障害の要因にもなるのだが、その要因としては特に仕事のスタイルが昼夜逆転になったり、交代制だったり、あるいは残業が多かったりといった様々な要因によって引き起こされる。

第5章「子ども、高齢者、女性の睡眠障害」

第4章は主に働く人々の睡眠障害だが、子どもや高齢者、女性といった人々もまた睡眠障害を引き起こしている。主に生活リズムが崩れている所だが、実際に睡眠障害によって、発達が遅れることもあれば、高齢者となると認知症の原因にもなる。

第6章「睡眠負債を解消するために」

睡眠不足などの負の側面を持つことを「睡眠負債」と定義されているのだが、その睡眠負債を解消することが、生体リズムを整える、適度な睡眠を保つための大きな手段である。もちろん睡眠不足解消を行うにしても、一朝一夕では解消することができず、場合によっては数週間~数ヶ月かかる事もある。そもそも睡眠は単純に「何時間寝た」といった時間ではなく、ノンレム睡眠・レム睡眠のバランスをとり、質の高い睡眠が求められる。そうこの歌のように。

「衣食住」は人間生活にとって最重要事項としてあげられるが、その中でも「住」の環境の中で睡眠と言った所が挙げられる。それは睡眠を行うための布団や枕といった環境面の整備から、生活を行っていく中で何時に寝て、どのように睡眠を取るかといった質の面が求められる。睡眠障害から予防を行うためにはまず自分自身の睡眠のあり方を知って、どのように直すかが必要になる。ここ最近ではスマートウォッチをはじめ、睡眠を測るためのツールも出てきているため、容易になってきているため、実行できない理由はない。