アイドルは、英語で直訳すると「偶像」と表す。いわゆるシンボルようなものであり、なおかつ偶像であるが故に、非日常を演出している。もっともそういった事を生み出す方々は歌手に限らず、タレント、役者など幅広い。
そのアイドルに関してはそれぞれの「ファン」がいる。そのファンもまたアイドルに対しての愛情が深いのだが、中には愛情が歪んだ形で表してしまい、当のアイドルも迷惑となるケースも少なくない。
本書はアイドルグループの1人が動画配信を行っている最中に倒れてしまった。しかしそれはドッキリだったことからSNS上で炎上するといった騒動にまで発展したという物語である。
一見嘘のように見えて本当にあるのかもしれない物語である。しかしながらこのような炎上商法を行う者、そしてそれに踊らされ怨恨を覚える者、行ったアイドルたちの内情と、SNSのやりとりとがありありと表現されており、心理的な「かくれんぼ」の様相を見出していた。著者は本書が処女作であるのだが、そうとは思えないほどの描き方であった。
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真下 みこと 講談社 2020年02月12日頃
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