本書のタイトルを見た瞬間、ふと「ノストラダムスの大予言」を連想してしまった。「1999年7の月~」といった予言が有名なものであり、滅ぶのかどうかといったことがあたかもカルト的に取り上げられたことがある。もう23年の月日が流れているため、「ノストラダムスって誰?」と思う方もいることだろう。
ちなみに本書はそういった本ではない。親の仕事の関係で、タイから日本にやって来た高校生の恋愛を描いているのが本書である。タイと日本とで文化や習慣の違いから学校になじめずにいたのだが、ふとしたことから学校の先輩に恋心が芽生えるようになった。
その恋心と同時に、高校生の家族事情も明らかになってくる。その「事情」の中には家族ならではの「闇」もあり、闇と恋とのせめぎ合いも描かれている。また本書のタイトルを連想しながら読んでいくと、元々いたタイの言葉で重要な意味が隠されていた。その意味を知ったとき、恋と家族それぞれの進行が明らかになっていく面白味のある一冊であった。
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