紅蓮浄土 石山合戦記

信長軍に家族を殺され、そして生き残った少女の波乱に満ちた物語である。織田信長に復讐を果たすため忍びの道へ進んだ。

そしてそこでついに念願だった信長軍との戦いに参加するのであった。ちなみにその戦いは「石山合戦」、1570年~1580年と長きにわたってあった戦いである。摂津国大坂(現在の大阪城付近)に石山本願寺があり、少女は厳しい修行の末、本願寺護法衆の忍びとしての道を踏み出した。

その石山合戦は先述の通り約10年にも及ぶ長期戦に発展したのだが、どのような経緯だったのかの史料がそれほどあるわけではない。しかしながらこの合戦により、本願寺自体が2派に分かれ、江戸時代になると京都に本願寺が移されたが、東と西に分かれ、現在も存在している。その大きなきっかけとなった戦いとも言える。

10年にも及ぶ戦いをドラマチックかつスリリングに描き、なおかつ復讐に燃える少女の姿が戦いに身を投じていく姿は勇ましくもあり、悲しさもあった。