なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法

ここ最近では収束の兆しが見えるコロナ禍だが、特にそのコロナ禍において、様々な業種にて憂き目に遭った。特に飲食業界は多くの規制が行われ、「休業要請」まで出て休まざるを得ないような状況が続き、倒産・閉店してしまう店も続出した。その規制もほとんどが解除されており、飲食業界の追い風となるかどうかが注目される。

しかし飲食業界を一つに行ってもミシュランガイドの星付きの店もあれば、全国展開しているチェーン店も存在する。いずれも集客などの戦略、さらにはターゲット層なども異なっており、価格なども異なってくるのだが、レストランの形態は違えど、サイゼリヤなどのチェーン店で学べる所が沢山あったのだという。本書は星付きレストランのシェフがサイゼリヤでアルバイトを行って得たものを明かしている。

第1章「超速で行動するサバンナ思考」

なぜ著者がサイゼリヤでアルバイトを行ったのか、そのきっかけを取り上げているが、決してお金がないからと言うわけではなく、自ら経営するレストランのピンチとなり、そのピンチを脱するべくヒントを得るためにアルバイトを始めたのだという。

第2章「超速で成長するマヨネーズ理論」

サイゼリヤの中には様々な人が働いている。その中には著者曰く「すごい人」もいるのだという。どのようにすごいのかを考え、なおかつやり方を模倣、さらには学んでいくことによって、自らの引き出しを増やすことができる。

第3章「MBAより成長する休日バイト」

もともとMBA(経営学修士)は、大学によって実践的な「知識」や「考え方」を身につけることが多いのだが、たいがいは「理論」を学ぶため、実践で使えるかどうかはその人の考え方や姿勢次第となる。しかし著者はMBAを取るよりも休日にサイゼリヤでアルバイトを行う事により、MBAで得られるよりも実践的なスキル・考え方を身につけられると考えている。

そもそもサイゼリヤを選んだことによって何を得たのか、アルバイトを通してサイゼリヤはどのような環境なのかを振り返っている。

第4章「幸せでフラットなチームが最強」

飲食店の中には全て調理から接客まで1人でこなす、いわゆる「ワンオペ」と呼ばれる所もあるのだが、たいがいは調理担当・接客担当など複数人で行う。そのためチームワークがものをいう世界とも言える。著者はサイゼリヤで学んだノウハウを活かし、星付きレストランらしからぬチームワークを伝え、浸透していくことによって、生産性の向上につながった。

第5章「読書は最強のサバイバルツール」

仕事にしても、人生にしても、読書によって得られるものがある。活字依存症の私でも、色々な本を読んでいるが、その中で得たものを仕事・プライベートの糧になるようなものもある。そもそも読書はやり方だけでなく、その著者自身の価値観・考え方を知ることができる。著者はその中でもどういった読書の仕方があり、なおかつ読書を通じてどうなったのかを明かしている。

第6章「いつの時代も夢をかなえるのはバカ」

「バカ」と言う言葉は決してネガティブな言葉ではない。例えばあることについて強くこだわりを持つ人のことを「○○バカ」という言葉で用いられるが、一つのことについて情熱を燃やす人のことを指している。また新しいことをする、夢を叶えるためにも行動をするのだが、その行動をし始める中でも何かしらのためらいもあるのだが、やりたいことに没頭し、なおかつこれでもかというほど没頭し続ける「バカ」が、壁を突き抜け、夢を叶えることを主張している。

冒頭でコロナ禍のことを記載したのだが、本書の「はじめに」にて、「飲食業界の軌跡」と言われるほどの事を行ったという。その要素のほとんどが、著者自身がサイゼリヤでアルバイトを行って学んだことが活かされていた。