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2022年6月

それぞれの風の物語 喫茶テンノットより

「風」は実に不思議なものである。風の向きや強さ、熱さ・寒さによって細々と変わってくる。また夏になると本州では湿度も高いためジメジメとした風になり、湿度が低いとからっとしたものになる。心地良いものから心地悪いものまで本当の意味で「色々」な風がある。 その風は人間模様と同じようである。本書は「岸和田少年愚連隊」で有名な著者が、大阪南部にあるとある町にて、本書のサブタイトルにある喫茶店が存在する。その喫 […]

魚にも自分がわかる ――動物認知研究の最先端

「認知」は人間特有のものではない。多くの動物には「脳」があり、その脳の働きなどにより、「認知」機能が備わっている。しかし動物によって、どのように認知されるかは異なる。 そこで本書である。本書は魚における認知機能がどのようなものなのか、現在の研究でわかっている所まで取り上げている。 第1章「魚の脳は原始的ではなかった」 元々動物にも種類があるのだが、魚類・両生類・爬虫類といったように進化をしてきた。 […]

量子人間からの手紙 捕まえたもん勝ち!

本書は先日取り上げた「捕まえたもん勝ち!」シリーズの第2弾である。本書の主人公は元アイドルの刑事を中心に事件を追うものであり、今回は変人の刑事とタッグを組む。今回はカメラをすり抜けて殺人を犯す犯人との闘いを表している。 ある意味近未来の様相を示しているように見えるが、その「近未来に見える」所にトリックがある。そのトリックを暴くべく2人の刑事たちが謎を追うという作品である。 しかも本書は謎解きのミス […]

メモ活

元々仕事にしても、プライベートにしてもメモ魔である私にとって、これほど心躍るような本があったのだろうか。本書は言うまでも無く、「メモ活」の効用と色々なメモの活用法について書かれた一冊であるのだが、著者ならではの特徴もいくつかある。 第1章「「メモ活」の基本原則」 ノート術で書いたのだが「ノートは忘れるために書く」ということを当ブログで主張したことがある。それはメモでも同じ事である。人間は忘れる生き […]

クレイジー・フォー・ラビット

人間関係は年齢や年代、さらには今あるポジションなど、あらゆる要素で変化する。もちろん人間関係の中には、学生時代において築いたものが旧交を暖めるように、時間をおいて復活したり、ずっと続いたりするようなこともある。 本書は年代別の人間関係について短編集にて描いている。小中高大のそれぞれの学生時代、そして最後は30代とそれぞれの人間関係、特に友情の変化がどうであったか、もちろん著者の思い出も兼ねているた […]

数字の嘘を見抜く本~カモにされないための数字リテラシー~

よくメディアやビジネスなどでは「数字」がよく使われる。この数字は実際にあるものから、計算したものまで使われるため、信ぴょう性が高いようなイメージが持たれる。 しかしその「数字」は単位を変えるなどにより、それが「嘘」となるものもある。見方もあたかも万華鏡のごとく、見え方によってはすごいように見えても、ひとたび単位などの見方を変えるとたいしたことない、あるいは悪いようにも見える。本書は巷にある「数字」 […]

飛石を渡れば

私自身「茶道」のことはよくわからないのだが、その茶道を行う中で「茶室」と呼ばれる所でやる所もあれば、外で行う「野点(のだて)」もある。特に茶室のイメージの中には、躙(にじ)り口に入るまでの中で飛石があるというイメージを持ってしまう。 本書はその茶道にまつわるエピソードを12編取り上げている。ちなみに取り上げられているものとして家族のものもあれば、実際に茶道を体験してのものも描かれている。情景もまた […]

戦略思想史入門 ――孫子からリデルハートまで

「戦略」と言うと、巷の本屋にて並んでいる者として経営や事業にまつわる戦略の本が多くある。そもそも「戦略」は実際に武器を持って戦争に関しての作戦や理論について取り上げられている。もっともビジネスも、他者や業界との「競争」という名の闘いであることが多く、それに関連付けて、本書にて紹介する孫子の兵法やマキャベリの理論を引用されることが多くある。 では「戦略」そのものはどのように変わっていったのか、本書で […]

采女の怨霊

采女は表紙にもある通り「うねめ」と読む。采女とは、 古代、郡の少領以上の家族から選んで貢進させた後宮の女官。律令制では水司・膳司に配属。うねべ。「広辞苑 第七版」より とある。本書は民俗学者が「采女」の謎を解き明かすために、古代の歴史を紐解くべく、奈良の地へと降り立った。そこには「采女神社」と呼ばれている実際にある神社に赴き、采女の謎を探ると言う物語である。 実際に「采女」は奈良時代において伝説と […]

神と呼ばれる鉄道YouTuber スーツの素顔

ここ最近では芸能人もYouTuberとなる人も出てきている。もちろん専門で活躍を行う人もいれば、四方山話でやっていく人もいる。人によっては人気を呼ぶようなチャンネルになる人もいれば、なかなか登録数が増えず、苦戦している人もいる。 本書は「鉄道YouTuber」として有名なスーツの半生を取り上げている。YouTuberになるまでのプロセス、さらには鉄道が好きになったことをYouTubeを通じて伝えた […]