小説

時代

天下一の軽口男

伝統芸能にも必ずといってもいいほど「始祖」が存在する。落語の世界でも江戸落語では鹿野武左衛門がおり、上方では初代露の五郎兵衛や本書の主人公である米沢彦八がいる。上方落語界の草分け的存在であり、いまとなっては上方の落語祭として「彦八まつり」と...
書評

パリンプセスト

本書のタイトルである「パリンプセスト」は本来、 「書かれていた元の文を消して,その上に別の文を書き写したもの。羊皮紙が不足した中世には古い羊皮紙写本が時々このように使われた」(「大辞林 第三版」より) とある。本書はそういった意味ではなく、...
書評

消えていく日に

私自身、独身であるため、1人でいる時間はけっこうある。もっとも結婚をしたとしてもできる限り1人でいる時間をつくることをめざしている。1人の時間は寂しいように見えて、自分自身で楽しめるようなもの・こともたくさんできたことにより、1人だけでも寂...
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書評

竜宮城と七夕さま

本日7月7日は七夕である。織姫と彦星がまさに出会うようなロマンティックな一日であるのだが、織姫も彦星も恥ずかしがり屋なのか、ほぼ毎年雨が降る。しかし例外はあり、数年~十数年に一度は晴れることがあり、時として天の川がキレイに映ることがあり、七...
書評

我ら荒野の七重奏

私自身吹奏楽部を中学・高校とやっていたことから吹奏楽に関する物語や本などは親近感がある。その吹奏楽部は私自身も体験したことがあるのだが、学校によっては朝から晩までずっと練習に明け暮れるようなことがあり、私が高校時代の時には一時期土日と合宿し...
ミステリー

好きなひとができました

一見ポジティブな言葉のように見えるのだが、好きな人から、あるいは恋人から言われると、これ以上傷つけられるような言葉は存在しないのだという。彼女はおろか恋愛自体が何十年もない自分にとってはどれほど傷つけられるのかは未知数である。 しかしその言...
書評

夜姫

本書は新宿歌舞伎町のキャバクラの女王と、その女王に怨恨の感情を持つ女性が歌舞伎町で闘うというものである。もっとも「闘う」といっても武器でのドンパチではなく、キャバクラ内におけるお客・売上の争奪戦と言ったものであり、いわゆる「お水」と呼ばれる...
ミステリー

仏像ぐるりの人びと

とある大学生がアルバイトのため仏像修復師のところにて働くところから物語は始まる。生活費を稼ぐために働き始めたのだが、そこから仏像の魅力にのめり込み始め、謎の仏像との出会いから、仏像の研究会に入り、謎を解明するといったことにも巻き込まれるよう...
書評

僕は金になる

「金」は「かね」と詠んでしまいそうになるのだが、表紙にもあるように将棋の「金将」から「きん」と読む。しかしながら本書は将棋は将棋でも、「賭け将棋」と呼ばれるため、「かね」と言われてもおかしくない。また将棋以外にもギャンブルなどもあるため「か...
書評

いつか深い穴に落ちるまで

「深い穴」という言葉がどれだけ意味深なのかということを本書でもって感じさせられた一冊である。本書はまさに「深い穴」というのが物理的に明示されているだけでなく、本書の背景そのものにある所での暗喩としても使われるため、重要なキーワードと言っても...
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