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ヒトデとクモヒトデ―謎の☆形動物

まだまだ暑い時期である。私の住んでいる鎌倉でも由比ヶ浜や材木座の海岸には多くの海水浴客が来る。一昨年からコロナ禍によって、海が開かないと言ったことがあったのだが、3年ぶりの海開きとなり、コロナ前の状況に戻りつつある。しかし第7波もあり、油断もできない状況であることは間違いない。 「海」と言うと、海の生き物もけっこうある。本書で紹介するヒトデもまた海の生き物で有名だが、なぜ「☆(星)」の形をしている […]

カイメン すてきなスカスカ

動物には本当の意味で様々な種類があり、中にはわたしたちの知らない種類まで及ぶ。本書で紹介する「カイメン」は聞いたことがないのだが、どこかで聞き覚えのあるような名前のように思う人もいるかも知れない。本書で紹介するのだがいわゆる「海綿動物」そのものである。 第1章「ヒトとカイメン」 実はこの海綿動物は人との関わりも深く、特に家事を行っている方々であればなじみ深いスポンジがその一種としてある。今でこそプ […]

海の乙女の惜しみなさ

本書は短編集であり、表題を含めて5編収録されている。その5編は舞台も境遇も異なるとは言えど、共通している部分として「どん底」という言葉がある。その「どん底」が海にもそれぞれあるのだが、そこが深い所を意味している所から「海」を連想できる。 ちなみにそのどん底としてはアメリカ的な考え方や精神から来ているものが多い。またそのアメリカ的な精神と、それぞれの主人公はそれなりの年齢であるため、「老い」と「死」 […]

世界の海へ,シャチを追え!

シャチは「海の王者」と言われ、猛獣の一匹として挙げられることがある。シャチは世界に点在しているのだが、その中でもカナダやアラスカなどの北部の国々を中心にしている。そのシャチにも物語がある。様々な国のシャチの物語と素顔を求めて本書でもって世界中を旅している。 第1章「おばあさんシャチとその家族―カナダの海から」 アメリカ大陸西海岸、カナダの西部にあるジョンストン海峡にいるシャチを追っている。そのシャ […]

タコの教科書

タコと言うとたこ焼きなどの料理や刺身などの料理の材料にもなり、なおかつ代表的な海の生き物の一つとして挙げられる。しかし国によっては悪魔の化身であったり、悪魔の魚と呼ばれたりするなどして恐れられていた。もっともタコはどのような生態なのか、どのような料理なのかについても併せて取り上げている。 01.「タコの身体」 タコの身体は何体である一方で、8本足には吸盤があるため、その吸盤に触れるとなるとものすご […]

おしゃべりな貝―拾って学ぶ海辺の環境史

「私は貝になりたい」という作品を思い出した。もっとも映画やテレビドラマなど様々な作品で展開していったのだが、元々はBC級戦犯となった加藤哲太郎が遺書として遺した「もう人間には二度と生まれてきたくない。生まれ変わるなら、深い海の底の貝になりたい」と書かれたことがきっかけである。理不尽さも何もなく大人しく住む貝でありたいという願いから書かれたのだが、もっとも「貝」はおしゃべりであるという。 考えていく […]

深海の寓話

定年になると様々なチャレンジをしたくなる人もいる一方で、リタイアとして余生をただ過ごすだけの人がいる。本書の主人公は元刑事で静かな余生を過ごそうとするのだが、ある事件に巻き込まれ、様々な人物と親交を深めることとなる。 その親交を深めた人々との間に主人公と同じように様々なキャリアから一線を退き、リタイアの人生を歩むこととなった。しかしそのリタイアをした人々と、事件に巻き込まれた犯人の人々との間にはド […]

サボり上手な動物たち――海の中から新発見!

「サボる」というと人間特有のイメージがあるのだが、本書でいうと海の生物にも「サボる」ことが得意な動物がいるのだという。動物には色々な種類がおり、なおかついまだに解明されていない存在もいる。特に本書で取り上げるような深海生物は、いまだに発見すらできていない動物もおり、地球の神秘はまだまだあるともいえる。 本書はその海の中にいる動物たちの中で「サボり上手」な動物を紹介している。 1.「実は見えない海の […]

里海資本論―日本社会は「共生の原理」で動く

KADOKAWA 岸山様より献本御礼。 今から2年前となる2013年、「デフレの正体」でベストセラーとなった地域エコノミスト・藻谷浩介氏が「里山資本主義」なる本を出版した。ちなみにその本は藻谷氏だけではなく、NHKの取材班も同様に取材をしながら筆を執ったという。それから2年後となる今年、「里山資本主義」の筆を執った取材班は、新たな可能性をもって、今度は「里海」に目を付け、取材を行ったという。その「 […]

海辺の恋と日本人~ひと夏の物語と近代

海というと、夏の海水浴を連想する人も多い、中には各種サーフィンなどマリンスポーツを連想する人もいることだろう。取り分けマリンスポーツの中には冬でも行っているものもあり、私の住んでいる近くの由比ヶ浜に行くと、砂浜を歩く人、あるいはサーフィンをする人もよく見かける。 日本人と「海」は多くの歴史があり、それにまつわる物語も多い。本書は海と日本人の物語作品の変遷を追っている。 第1章「物語の発生―夏の海辺 […]