「広辞苑」の罠 歪められた近現代史


広辞苑というと辞書の中でも最も有名なものの一つで、近現代にまつわる単語が収録されており、単語を多くほしい私にとっても重宝しているものである。もっとも当ブログにて単語を取り上げる際にもたいがいは大辞林のほかに広辞苑から取ってくることが多い。

しかしその広辞苑には歴史的な「罠」が仕掛けられていたという。その「罠」とは「歴史認識」によるものであるのだが、どんな罠が隠されているのか、本書ではそのことを暴いている。

第一章「日本と朝鮮との近代関係史」
日本と朝鮮半島は近いことで知られつつ、外交関係を築くこともあった一方で、豊臣秀吉が天下を取った時代には朝鮮出兵をするといったことまである。本章で取り上げている「罠」は明治維新を過ぎ啞後に出てきた「征韓論」や日露戦争後の韓国併合のことを取り上げている。

第二章「日本とシナとの近代関係史」
「シナ」は漢字に直すと「支那」であり、英語におけChinaを日本語に直したものを表している。にもかかわらず、呼称については日本にだけ槍玉にあげられる。そのことからメディアでは蔑称として挙げられ、現在は中国で表記されることがほとんどである。他にも日本や中国大陸との歴史は外交もあれば軋轢も数多く存在した。その軋轢の多くは日清戦争をはじめとしたものが挙げられる。

第三章「日本とロシア・ソ連との近代関係史」
日本とロシアは現在外交交渉の真っ最中であり、北方領土の返還に向けても一歩一歩歩んでいる状況にある。その状況の前にも様々な出来事があったのだが、最も有名な出来事として日清戦争が挙げられる。もっとも日本の軍を最も知らしめた要因としてある日本海海戦があるのだが、広辞苑では日本とロシア・ソ連との関係はどのようにして取り上げたのかについて考察を行っている。

第四章「日本とアメリカとの近代関係史」
日米関係は親密にあったのだが、ドナルド・トランプが大統領になり、日米関係も大きな変化が起こるのかもしれない。その日米関係の始まりとして挙げられるのが1853年のペリー来航だった。そこから日米関係は戦争を経て現在のようになっているのだが、辞書は何を伝えているのかを論じている。

第五章「日本の近代史」
次は明治維新以後の日本の歴史が列挙されている。日本の歴史にも様々な出来事が出てきているのだが、その出来事についても本章にて「罠」と指摘している。

第六章「戦後の外交関係史」
外交政策にも歴史があるのだが、その歴史の中には歪曲されて伝えられたものも少なくないという。その少なくない事項を本章にて取り上げている。

広辞苑は自分自身の持っている単語を増やす格好の薬である。しかし薬には使いようによって必ずと言ってもいいほど「毒」になる。その毒が「罠」となり、考えが歪曲される要因となる。これは広辞苑に限らずどの本にも存在することを考えるとその考えるきっかけになるのが本書と言える。

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