夢をかなえる話し方 人生を変える5つの習慣

話し方という本はamazonで検索しただけでも約1,500件存在する(和書のみの調べで)。
この中で自分にあった話し方、もしくは至高の話し方というのを探すだけでも数日、数カ月はかかることだろう。

本書もまた約1,500冊もある話し方の本の一つであるが、著者自身極端な「あがり症」に苦しめられ約7年もの間営業成績は下から数えた方が早いというほど散々たるものであった。そんな著者が突如として4年連続営業トップ、さらには独立をし年間90回以上の講演もこなすほどにまで変貌を遂げた。その秘訣は、口下手やあがり症なりの「話し方」にしたことである。
本書はそういった人のため、そして夢をかなえるにはどのような話し方をしたらよいのかということが66のルールとしてまとめられている。ひとつひとつにチェック欄があるため読んでからすぐ実践という形にしやすいようにできている。

第1の習慣「準備する」
これはあくまで自分が体験したことであるが、「準備」というのは必要である。特に会社員の場合は上司に報告・連絡・相談をする、他社へは商談や提案を行うといったことをするためには話す要点を絞りつつ簡潔に話すことが必要とされている。私は入社当初、なし崩しで話すことが多く「あなたの言いたいことが分からない」とよく言われた。
簡潔に話すこと、そして自分の考えを整理することによって、間延びやフィラー(「あー」や「えーっと」といったもの)もなく、歯切れもあり気持ちの良い話し方ができるという。

第2の習慣「出会う」
「準備」ができたらいよいよ実践、っていっても「準備」の時点で実践例がいくつも存在するが。
ここでは「第一印象」における話し方である。特にセミナーや交流会に足を運ぶことの多い私にとっては「出会い」の連続であるため非常に役立つ内容であった。

第3の習慣「人に好かれる」
人の話に腰を折ったり、ネガティブな話ばかりする人というのは結構いる。しかしそれをやってしまっては人に好かれるということはほとんどない。
では「人に好かれる話し方」というのは何なのか、
「マイナスな時には慰める」
「謙遜な人には、そんなことないですよ!といった「明るい否定」を言う人」
「「おめでとう」といえる人」
他にもいろいろあるのだが、嘘だと思って実践してみるといい。世界が変わる。

第4の習慣「話さない」
「コミュニケーション力」とは一体何なのか。
大体の人であれば「話す力」という人が多いことだろう。
しかし「話す」ことばかり意識が言ってしまい、「聞く」ということをおろそかにしてしまっては元も子もない。
「コミュニケーション力」の根幹たるもの。それは「きく」力である。
これは「聞く」もあれば、心から「聴く」、質問するの「訊く」というのもある。機転の利いた話し方の「利く」というのもあるかもしれない。
誰かが前ふりしたときは、自分に振られるまで話さない。話すぎない。聞きながらリアクション上手になることもコミュニケーション力であると。
「コミュニケーション」は奥が深く、一生修行也。

第5の習慣「応用する 今から使える簡単テクニック10」
最後は総まとめというよりも簡単テクニックとして10個あげている。言い方から印象、話のネタから約束に至るまで「話す」ことについては縦横無尽といったところである。

著者自身の体験談を例題として扱っているのが多く、どれも実践できるものばかりである。そして文章も非常に暖かく、「ハートフル」の印象が強かったのも本書ならではである。
「文章」と「話」に込められる暖かさと思いというのがひしひしと伝わる一冊であった。