日本の風俗起源がよくわかる本

「風俗」と言っても吉原や堀之内にあるような所ではない。日本独特の文化や習わしのことを言っている。元々日本には独特の礼儀作法はもちろんのことマナーや行事に関することについて様々な意味を持っているのだが、あまりよく分からずに学ばされている事が多い。そういった状況の中で、本書があるのだが、本書はどのような習わしがあり、歴史をひもづけていったのか、その意味について紐解いている。

1.「礼儀作法の起源」
日本の風習には必ずと言っても良いほど「礼儀作法」が存在する。社会生活を営む上で最低限の決まりと言われているが、そもそもは人々の「承認」を与える、もしくは得るために行われる行動の事を指している。ほぼ同じ言葉として「エチケット」がある。その一方でマナーとはイコールと思われがちだが、どちらかというと決まりに近い部分にあるので、イコールにはならない。

2.「出会いの作法」
人と出会うときには必ず挨拶をする。その挨拶についても立礼から座礼、他にも最近ではあまり聞かれない「三つ指」というのがある。他にも、下座・上座、玄関の敷居など挨拶から場所に至るまでの所を解説している。

3.「言葉の作法」
言葉にしても「すみません」「ありがとう」といった普段言うものから、尊敬語・謙譲語・丁寧語といった「敬語」にも成り立ちが存在する。特に敬語の3種類は起源を知るとかなり面白い。

4.「飲食の作法」
和食が無形文化遺産に登録されて久しいが、和食にも配列を始め箸の持ち方、おかわりの作法、さらには精進料理のあり方について細々と決められており、一つ一つに歴史が存在する。

5.「服装の由来」
日本人が長きにわたり慣れ親しんだ和服だが、家紋や扇と言った所にも歴史が存在する。他にも明治時代から着られるようになった洋装「背広(スーツなど)」も言及している。

6.「婚礼の由来」
最近では非婚・晩婚化が進んでおり結婚に対して悲観的な人もいるのだが、それでも結婚式の需要はある。とはいえ時代は変わるもので結婚のあり方にしても、結婚の様式にしても変化は起こっている。そんな中で本章では見合い結婚、結納、三三九度など昔からある結婚の作法についての成り立ちを説明している。

7.「葬礼の起源」
葬礼のあり方も結婚と同様に変化しているものの、変化で一番見えているのは葬式業界といったビジネスの部分が多い。本章の指す末期の水やお通夜、香典などのあり方は時代が経ったとしても不変である部分が多い。

8.「贈答の作法」
「贈答」というと「お中元」や「お歳暮」さらには「水引き」や「のし」といったものがあるのだが、それについての歴史を述べている。

9.「年中行事の由来」
1年には、お正月や七草、節分、端午の節句、七夕、七五三、大晦日など行事はたくさんある。それぞれの行事は日本独特のものから、中国大陸から伝来したものまである。

10.「共同体の起源」
「共同体」といってもなかなかピンとこない方もいる。簡単に言えば地域や村といった人々がやる習わしの事を表す。その中で子供の誕生や引越しそば、村八分など共同体で行われることについて取り上げている。

いろいろな作法、習わしを紐解いてみると、私たちの知らないような意味がポロポロと出てくる。よく伝えられている作法や習わしは常々変化しているのだが、不変である部分も存在する。それは、日本人としての「何か」を表しているのかもしれない。その「何か」は歴史そのものかもしれないし、もしくは歴史とともに醸成された真理なのか、それは習わしごとに異なってくる。ともあれ、礼儀作法やしきたりにはそれぞれ意味を持っている。それを知ることによって理解が増し、行動に結びつけられる、本書はそのための一冊である。

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