ブラジル 跳躍の軌跡

ブラジルというと中国やインド以上にホットな所として知られている。というのは、今年はすでに終わっているがサッカーワールドカップが行われた。その2年後には夏のオリンピックがリオデジャネイロで開催される。実際にホットと言われるところでも同じ年にソチでオリンピックが行われ、4年後にサッカーワールドカップが行われるロシアも同じ事であるが、飛躍の観点からしてブラジルも同じ事がいえる。ではなぜブラジルが現在跳躍していったのか、その軌跡について迫っている。

第1章「ブラジルは、いま」
ブラジルでは2011年1月に、始めて女性大統領が選出された。他にも経済成長の他に、女性の社会進出も積極的に進められている。民主制が成立してもうまもなく30年経つのだが、この30年の中での経済成長も紆余曲折はあったものの目覚ましいと言える程だった。

第2章「軍政から民主制へ」
とはいえ民主化になる前は軍部が政権を握る、いわゆる「軍政」によってブラジル国家は支配されていた。そのきっかけは1964年の軍事クーデターだった。それ以前にもクーデターが起こり、軍部が実験を握った歴史はあったのだが、最新の歴史からすると、この時期である。そのきっかけは大惨事世界大戦の火種の可能性があった「キューバ危機」や「ベトナム戦争」だったのだが、その軍部が実験を握ったことにより、情報統制や国民の生活に軍部が深く介入した。もちろん強権的な対応も幾度となく行われた。軍部政権下の経済は成長していったが、勢いは最初の10年ほどで後は衰退の一途を辿ってしまい、次第に軍部も態度を軟化。それから1985年の民主制への移行につながった。

第3章「新生ブラジルの制度設計」
民主政が移行されてから、8年という歳月をかけて民主政治の体制を築いていった。もちろん現在では1993年に築いた共和制・大統領制を敷いている。他にも憲法の制定・改正を行いながら現在の状況に合わせた政治・経済の制度設計を行ってきた。

第4章「世界の表舞台へ」
21世紀になってBRICsの一員になり、劇的に経済成長を遂げていった。その要因として、鉱物や原油といった資源が潤沢にあり、それを利用して経済を伸ばしていった。もちろん外資の参入を受け入れる事も経済成長の一つの要因となったのも事実である。とはいえ資本主義経済のさだめ故か、深刻な格差問題が起こっている現実がある。他にも森林伐採などの環境問題にも直面しながら解決に向けて日進月歩で進めていくなど、一発展途上国から先進国に向けて着実に改革を進めている。

最初にも書いたのだが、BRICsの中でもブラジルが最もホットなのかも知れない。今年はワールドカップ、2年後は夏のオリンピックが開催されるのだから、まだまだ経済成長の勢いは止まらない。その一方で、経済格差が助長してしまい、周辺ではデモや犯罪などが頻発していると聞く。それをどのように解消していくのか、ブラジルの真価が問われていると言っても過言ではない。