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2015年7月

ブラック企業2―「虐待型管理」の真相

以前「ブラック企業~日本を食いつぶす妖怪」にてケースとともに取り上げてきたのだが、本書はその続編と呼ばれる一冊であり、「ブラック企業」と呼ばれる企業には、ある企業戦略にあったのだといい、意図的に社員を虐げているのだという。 本書はそう言った経営戦略とともに、労働相談の現場を通じて浮き彫りにしている。 第1章「わかっていても、入ってしまう」 ブラック企業の求人傾向については前作でも取り上げられていた […]

東京駅「100年のナゾ」を歩く – 図で愉しむ「迷宮」の魅力

最近は東京駅に行くこと自体無くなったものの、仕事の関係から東京駅に足を運ぶことは何度もあった。特に2012年には東京駅の復原工事が終わり、10月1日に全面再開業となった。また2014年には東京駅が開駅100周年という節目を迎えた。 私が初めて東京駅を利用したのは今から8年前の話、ちょうど就職活動真っただ中の時である。その時東京駅周辺では工事の最中であったことを記憶している。その際に東京駅には丸の内 […]

大人もハマる算数

小学校の時は算数、中学・高校と数学を学ぶ機会がある。また大学によっては数学を学ぶ機会があるのだが、私自身は小中高大とそういう機会があり、私自身も得意としていた。 そこで本書である。本書は大人のために算数を学ぶための一冊であるが、「単なる子供の算数じゃないか」と思っていたら痛い目にあう。しかしその痛い目にあったことによって、悔しくなって解きたくなり、本書のタイトルのようにいつの間にかハマってしまうよ […]

ことばの力学――応用言語学への招待

「言葉」には様々な国の言葉もあれば、「方言」など地域独特の言葉が存在する。そう考えるとなぜ方言・国語など「言葉」は多種多様に存在するのか、そして人が織りなす社会の中で「言葉」はどのような役割を担っているのか、それについて考察を行っている学問として「応用言語学」なるものが存在している。しかし「応用言語学」と聞いてもあまりピンとこないので、本書でもって、どのような学問なのかを紐解いている。 第Ⅰ部「多 […]

不安症を治す―対人不安・パフォーマンス恐怖にもう苦しまない

私自身仕事をしている時も、ボーっとしている時も何かと不安にさいなまれてしまう。その不安までは大丈夫なのだが、人によっては不安が「対人不安」や「パフォーマンス恐怖」を覚えるのもいるのだという。心的な病として、いわゆる「社会不安障害」と呼ばれるものであるという。 本書はその現状について取り上げつつ、社会不安障害をいかに和らげ、不安をコントロールしていくのか、そのことについて取り上げている。 第1章「み […]

嘘と絶望の生命科学

本書が出版されたのは昨年の7月。この時期に起こったものとして「STAP細胞」をめぐる騒動が挙げられる。論文の掲載写真が別の実験から取ってきて貼り合わせたものであること、そして論文に大量のコピペがあったことが明らかになったという。その件で理研の管理体制が問題視されただけではなく、遺伝子・細胞研究の権威だった笹井芳樹京都大学再生医科学研究所教授が自殺する痛ましい出来事があった。その一連の出来事のみなら […]

割り箸はもったいない?―食卓からみた森林問題

私自身、自炊するのだが、時々スーパーやコンビニで総菜を購入する。その際に「割り箸はいりますか?」と聞かれるのだが、ほとんどの場合「いらない」という。その理由は環境問題というよりも、ゴミが増えてしまい、処理が面倒という理由からなのだが、実際に割り箸がもったいないというのも理由としてある。 本書はその割り箸からどのような環境問題が存在するのか、本書は割り箸づくりの現場をはじめ、世界中の割り箸を取り上げ […]

僕らが作ったギターの名器

ギターというといろいろな種類があり、作り方も異なる。しかしギターの中には「名器」と呼ばれるものがあり、その名器と呼ばれているものの中には世界的に有名な設計家がデザインされたものがあり、本書ではそれについて紹介している。ではどう言ったギターの名器が存在するのか、そしてそのギターが作られた経緯とともに紹介している。 第一章「サウンドデザイナーの仕事—音を描くプロフェッショナル」 サウンドデザイナーは簡 […]

音楽を愛でるサル – なぜヒトだけが愉しめるのか

音楽を楽しめるのはヒトだけと言われているのだが、実際に家畜にモーツァルトなどの音楽を聴いて、肉の質を良くするという話があることを考えると、本当に音楽はヒトだけが楽しめるものなのかということを勘ぐってしまう。とはいえ動物は音楽を奏でたり、いろいろな音楽を知ったりと楽しむことができず、先ほどの音楽を聴く家畜も耳から得られる信号でしかないとも考えられる。本書はなぜ「音楽は人類特有のもの」かについて人類の […]

黒岩重吾のどかんたれ人生塾

今年で30歳という節目を迎え、私自身も書評をますます進めていきたいと思う。もちろん書評家であるため、書評とは何かというのを考え、追いかけながら前へと進みたい。 そこで今回は、私の中で思い出に残る一冊を一つ取り上げる。私が高校生だったころ、今も同じように活字の本は読んでいたものの、今ほど多くは読んでいなかった。何を読んでいたのかというと漫画雑誌の方が多かったと思う。中でも「週刊ヤングジャンプ」という […]