この方法で生きのびよ!―沈む船から脱出できる5つのルール

著者の鈴木様より献本御礼。
人生はまさに「航海」のようなものである。その航海のなかで障害となるような要素が存在しており、そのぶつかりようによっては座礁し、沈没してしまう。そうしないために、本書では「航海」に見立て、生き延びるように5つの「氷山」を取り上げ、回避・脱出する方法を伝授している。

第1章「代替―なぜ人は「いまある日常」が永遠に続くと思うのか?」
日常はごくありふれた日々であるのだが、それは永遠に続くものではない。しかし私たちはそれを知っていても「永遠に続けたい」「永遠に続けられる」と信じてしまう。しかし明日仕事がなくなる、日常が崩れる、死んでしまうことは往々にしてある。そのような状況の中で代替となるようなものが存在するのか、本章ではその存在について取り上げている。

第2章「新芽―なぜ人は「新しい可能性」に出会えないのか?」
人には誰しも「可能性」を秘めているのだが、それに出会えるかどうかはあなた次第であるのだが、なかなか出会えない人がいる。それはいったいなぜなのか、本章では「困難との立ち向かい方」「立ち去る勇気」「目標を変える」という3つの観点から取り上げている。

第3章「非常識―なぜ人は「過去」を捨てることができないのか?」
生き延びるためには「変化」が必要である。その変化には第1章で取り上げた「代替」、第2章で取り上げた「新芽」があるのだが、変化の中には自分自身の中に凝り固まっている「常識」や「固定観念」があっては、思った以上の変化を期待できなくなってしまう。本章ではその常識を突き破るために「非常識になる」、そのために自分自身の過去を捨てることを勧めているのだが、それができない原因についても同様に列挙している。

第4章「拡散―なぜ人は「閉塞」から抜け出せないのか?」
変化を起こさないと自分自身の中で「閉塞」してしまう。その閉塞はもがけばもがくほど抜け出せなくなってしまう。その閉塞状態が続いてしまうと、自分自身もビジネスも停滞し、衰退の一途をたどってしまう。
その閉塞感から脱するために、「拡散」が必要になる。その「拡散」は人を伝っての拡散もあれば、メディを使っての拡散もある。その拡散によってもたらされる効果とはどういうものかについて取り上げている。

第5章「増殖―なぜ人は「成功の増殖」ができないのか?」

「ビジネスは「ウイルス感染」に似ている」(p.187より)

とある。ウイルス感染は場合によってはパンデミックのごとく、世界中に、なおかつ急激に拡散することができる。またウイルスの一つである「インフルエンザ」の語源も「影響をする人」を表す「インフルエンサー」から来ている。
その「増殖」をいかにして利用し、成功に導いていけばよいのか、本章ではそのことについて取り上げている。

氷山は、自分自身および自分が行っているビジネスの「障害」と言われることがある。もちろん回避をすることも大事なのだが、時代の潮流を察知し、氷山を利用することもまた一つの手段である。生き延びる手段や考え方は様々であるが、それに目を背けず、絶えず変化をすることが大切である。