駅をデザインする

駅で移動するときに様々な駅に行きつくのだが、主要な駅の中にはデザインが施されているところも存在している。そのデザインは何を意味しており、なおかつどのように役立てられているのか、本書はそのことについて取り上げている。

第1章「駅デザインとは何か」
そもそも「駅デザイン」とはいったいどのようなものなのか、駅の案内などをわかりやすく表示する、あるいは駅の乗り換えや途中での買い物がしやすいような駅にすることを目的としたデザインのことを指す。もちろん本書でも「案内」や「空間」と言ったものもあり、用途も考え方もそれぞれである。しかし共通しているのは「イメージ」を良くすることそのものにある。

第2章「案内デザイン」
路線によって、もっと言うと駅によって案内のデザインは異なってくる。そもそも案内デザインはどのようにして決まっていくのか、本書では東京メトロ、そしてその前身である営団地下鉄をはじめとした私鉄、さらには首都圏のJRを事例にして取り上げている。

第3章「空間構成」
駅、及び駅構内の空間構成もまた駅デザインの一つである。本章で取り上げている駅は首都圏に限らず、東北・九州など全国津々浦々の駅の中から「空間」にこだわった駅がある。

第4章「海外の駅デザイン」
駅デザインは日本に限らず、イギリス・フランス・アメリカなどの先進国の主要都市に手積極的に取り入れられている。本章でもロンドン・パリ・ワシントン・台北・北京などの駅を事例に出している。

第5章「日本の駅デザイン」
日本でも駅デザインが施されている。そのデザインによって便利になるはずが、かえって不便をもたらしてしまう例も少なくない。本章ではその典型的な例としてJR新宿駅や東急東横線渋谷駅などが挙げられている。

第6章「これからの駅デザイン」
これから駅デザインはどうあるべきか、もちろん利用者の利便性も必要になれば、空間の美しさを楽しめるようにするなど、様々な試行錯誤や課題が存在する。そのうえでの「これから」を本章では提言している。

私自身も仕事で電車に乗ることはたくさんあるのだが、いろいろと駅を見ると駅それぞれのこだわりがあるように見える。そのこだわりの中には本書で取り上げた「駅デザイン」があるのだが、その意味と役割を知ることのできる一冊と言える。