反逆する華族―「消えた昭和史」を掘り起こす

元々日本には「華族」と呼ばれた人々がいた。もっとも「元貴族」や「元華族」と称して本を出すような方々もいるのだが、もっとも華族と言っても境遇は人それぞれであるのだが、その中でも共産党の運動に身を投じたり、体制に反逆したりすることがあった。そのような人々が選んだ理由とは何か、そのことを映し出している。

第一章「「転向」と「非転向」のあいだ―石田英一郎の場合」
華族だった人がどのように「転向」していったのか、その人物の一人として石田英一郎がいる。その人物は治安維持法の「適用第一号」となったのだがなぜそのようになったのかその経緯を取り上げている。

第二章「ある名門子爵家の父と子―大河内信威の場合」
子爵家もまた体制に反逆を行い、裁判になってしまった。その裁判になった理由とは何か、もっとも中野重治などの人物に一目置かれていた子爵家だった。

第三章「学習院グループの共産党事件―「ザーリア」の場合」
華族や貴族たちが通う学園の一つとして学習院があるのだが、その学習院の中でも反体制側に回る人びとがいるという。

第四章「死をえらんだ公爵家の娘―岩倉靖子の場合」
公爵家の娘の中でも反体制にまわる、自ら命を絶ったような人がいる。そのような人々を取り上げている。

「華族」と言っても色々な境遇がある。その境遇がある方々がどのような道を選んでいったのか、そしてどのような末路となったのか、そのあらましを知ることのできる一冊である。

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