ライオンの歌が聞こえる

本書はサブタイトルにもあるように「平塚おんな探偵の事件簿」の第二弾であり、言うまでもなく平塚を舞台にし、2人の女性探偵が事件をドタバタしながら解決に導くというものである。

何てことがない依頼から事件が発展し、様々な関連性を調べていくのだが、その赴く中で平塚の細かい地名なども挙げられており、平塚市民であれば「ここか!」と言ってしまうようなこともあるようにつくられている。

ミステリー作品でありながら、2人の探偵が織りなすドタバタ感がユーモアをつくり、緊張と緩和を持たせながら物語が進めているところが魅力的である。そのドタバタ感がミステリー好きにとっては物足りない部分があるのかも知れない。とはいえ、ミステリーを読まない方々にとってはほっとした清涼剤になるような一冊とも言える。