ヒトはなぜ絵を描くのか――芸術認知科学への招待

今となっては美術的な作品も数多くあり、「美術史」の学問になるなど美術の歴史は深い。もっとも絵を描くことはヒトの特権であるようなのだが、そこには「芸術認知科学」と呼ばれる「認知科学」のカテゴリーの一つである。その認知の観点からヒトはなぜ美術や芸術を行うのか、「絵を描く」ことにフォーカスを当てて取り上げている。

1.「描く心の起源を探る旅の出発点」
元々ヒトの原型は400万年前に誕生した「アウストラロピテクス」から始まったのだが、さらなる根源を見てみると「サル」や「チンパンジー」から進化してきたものであるのだが、人類の進化の中で絵筆を開発したり、絵を描いたりしているところの化石もあることを取り上げている。

2.「ヒトの子どもとチンパンジー」
本章ではある実験を行っている。それは人間の子どもとチンパンジーがどのように絵を描くのか、そのことについて描いた結果を取り上げながら、ヒトとチンパンジーの認知の違い、さらには「絵」の捉え方なども取り上げている。

3.「「ない」ものをイメージする力」
いわゆる「想像力」の範疇にあり、なおかつイメージしたものを絵にするなど「形」にすることによってヒトは言語を取得したり、ないものから創造したりする事ができるようになる。ヒトにしかない力とも言えるのかもしれない。

4.「なぜ描くのか」
なぜヒトは絵を描くのか、その根源的なことを取り上げている。もっとも絵を描くにも何らかの理由があるのだが、その理由には人それぞれであるのかもしれない。とはいえ共通する理由としてどのようなものがあるのか考察を行っている。

5.「想像する芸術」
芸術は想像の産物と誰かが言ったのだが、まさにその通りなのかも知れない。事実も含めた色々なものから想像をし、絵や音楽などの芸術が生まれるようになる。その芸術の要素はどのようなものがあるのか、そのことを取り上げている。

絵を描くことはおそらく人間しかできないことである。もちろん音楽をつくったり、演奏したりすることができるのも人間である。その要因としてどのような要素があるのか、そこに「認知科学」の世界があるのかもしれない。

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