私たちのしごと――障害者雇用の現場から

日本では昭和35年に「障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)」が制定し、障害者に関する雇用が積極的に行われるようになったのだが、当時の法律は「身体障害者」が中心であったのだが、後に知覚・精神と様々な障害へと範囲を広げられるようになり、今年に至っては法定雇用率の算定基礎など大きく改正されることとなった。もちろん企業も障害者雇用に対して積極的に行われているのだが、そもそも土のように進んできたのか、現状は何か、そしてこれから課題は何かを取り上げたのが本書である。

Ⅰ章「障害者雇用はどう進んできたか」
元々法律としては昭和35年に制定され促進し始めてきたのだが、その後民間企業に対してある種義務づけられるようになったのは「雇用率」が制定される昭和51年の改正になってからのことである。その後も何度も改正され、冒頭にも述べたように障害者の範囲を広げ、さらに義務づけるなど条文化されるようになり、さらにはグループ会社では「特例子会社」と呼ばれる制度もできはじめた。

Ⅱ章「働く現場を見る」
本書の根幹と言える障害者が働く現場を取り上げている。種類にしても医療からサービス、職人から伝統芸能、インフラ、教育、農業などに至るまで幅広くなおかつ、生き生きと働いている姿が写真や文章なども通じて表れている。

Ⅲ章「新しい流れとこれからの課題」
障害者雇用は進みつつあるものの、その一方で課題も存在する。国際的な権利保障に準じているのか、能力の見出し方、門戸をどこまで広げるべきかなどがある。

障害者雇用は戦後間もない時から始まってから、60年近くの時間が流れた。その流れの中でバリアフリーの概念もさることながら、障害者に対しての雇用を考え、形にしてきた部分では日本は先鞭を着けているといっても過言ではない。課題はあるものの、障害者雇用の現状を知り、これからを見出していく機会となる一冊であったと言える。

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