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2018年9月

リバース&リバース

「リバース」が2つ並んでいるのだが、英語に直すと2つの単語が出てくる。「reverse」と「rebirth」、直訳すると「逆転」と「再生」のことを表している。それらは物語の中で何を紡ぐのか、不思議に思い、本書を手に取った。 とあるティーン誌の相談コーナーに送られた恋愛相談。その相談によって2つの場所で物語が動き出す。方や雑誌編集者、方や学生、それぞれの立場から人間関係が結ばれていき、遠く離れている […]

難民鎖国ニッポンのゆくえ

数年前に、世界中で中東をはじめとした難民が西洋諸国に流れ込むというような出来事があった。それが世界的に報道され、とりわけヨーロッパ諸国では対応が二分するようなことがあり、イギリスのEU脱退の要因の一つにもなった。 では日本では難民の受け入れは行っているのかと言うと、行っていると言えば層であるのだが、実際には難民認定を受けている人はほとんどいないに等しいという。その日本における難民事情はどのようなも […]

杉山清貴&オメガトライブ 35年目の真実 林哲司が作り上げた哀愁サウンドの秘密

「杉山清貴&オメガトライブ」は80年代に活躍し、その時代の歌謡史に残るバンドである。とくにサザンオールスターズやTUBEと共にサマーソングのヒットメーカーとしても知られているほどである。 しかしサマーソングを多く創り上げている一方で、夏の哀愁を描いている歌が多くある。それを創り上げたのは日本を代表する作曲家の一人である林哲司である。活動自体は1980年であるのだが、メジャーデビューしたのは1983 […]

いつも結果がついてくる人は「脳の片づけ」がうまい!

部屋が散らかると、整理するために片づけを行う必要がある。それは心や考え方にも同じ事が言え、考えを整理する、あるいは片づけるためにも必要な要素としてあると言える。その片づけの中で著者は臨床医の立場から「脳」の片づけを提示している。 一章「なぜ口に出すと脳は夢を叶えるのか―脳に仕事をさせる10の片づけ」 夢を叶えるためには宣言をするなど口に出すことが必要であることはビジネス書でも数多く出ていることであ […]

往古来今

過去・現在・未来と時間は流れるのだが、それがあたかも時空となって移動するようになったような物語である。その過去にしても平安時代にまで遡るほどであるため、時代の流れ、時の流れがあるのだが、その時の流れを中であたかもタイムマシンに乗ったように往来して生きながら「私」を探しているという、あたかも時空を超えた「自分探しの旅」とも言える。 中編小説を5編取り上げているのだが、その昔から今までの歴史の中で「私 […]

ノーベル賞でつかむ現代科学

元々ノーベル賞は発明家であり、ダイナマイトを開発したアルフレッド・ノーベルの遺言によりつくられた賞である。分野としては化学・物理学・医学・平和など挙げられるのだが、特に平和についてはダイナマイト開発において、ノーベルが死去したことに関して誤報が報じられた際に「死の商人、逝く」と報じられたことにショックを受けて、平和利用や発展を願ったことを遺言に託し、基金が創設され、ノーベル賞ができた。特に平和賞に […]

愛の夢とか

愛を描くのはなかなか難しい。それは男女の恋愛はもちろんのこと、家族愛など「愛」という言葉を拾い集めていくと、様々な要素があるためである。しかしながら、本書では様々な角度における「愛」が散りばめられた短編集であり、なおかつ多くの「愛」を網羅していると言っても過言ではなかった。 表題作は女性同士の愛。女性同士というとドロドロとした印象を持ってしまうこともあるのだが、爽やかでありつつ、甘酸っぱさも持つほ […]

ニトリ 成功の5原則

私自身生まれも育ちも北海道であるため、北海道に誇りを持っている。その誇りとなる企業も数多くあり、その一つとして「ニトリ」がある。そのニトリの創業者である著者は2015年に「私の履歴書」が連載され大きな反響を生んだ。札幌市にて家具店を創業し、日本中、さらには世界を股にかける一大家具メーカーにまで成長したのだが、なぜ成功した。本書は5原則をもとにして提示している。 第1章「「ロマン」で人は生まれ変われ […]

キラーストレス 心と体をどう守るか

ストレスにも様々な種類のものがあるのだが、中には心身的にむしばみ、肉体的・精神的な疾患を負い、最悪死に至るようなストレスさえある。特に最近では「キラーストレス」と呼ばれるものもある。その「キラーストレス」の正体と、原因、そして対策方法はどのようなものがあるのか、本書はそのことについて取り上げている。 第一章「これがキラーストレスの正体だ」 ストレスは身の回りの様々な変化によって起こるようなことであ […]

貧困の倫理学

日本でも十数年前から「格差社会」と呼ばれているのだが、その格差は世界に目を向けてみると近づいてはいるものの、それほどでもないような印象を持たれている。その格差の中で生まれる「貧困」。その貧困によって生活が脅かされ、最悪命を落とす人も少なくない。その貧困は倫理学的に何を意味を成しているのか、本書はその倫理における原則や主義における考察を行っている。 第1章「援助の救命モデル―シンガーの功利主義的援助 […]