チェーン・ピープル

「協調」と「同調」は似ているようでいて、大きく異なる。
「協調」とは、

「1.利害の対立する者同士がおだやかに相互間の問題を解決しようとすること。
 2.性格や意見の異なった者同士が互いにゆずり合って調和をはかること。」「広辞苑 第七版」より)

とある。一方「同調」とは、

「1.調子が同じであること。
 2.他と調子を合わせること。他人の主張に自分の意見を一致させること。
 3.機械的振動体または電気的振動回路などが、外部から与えられる振動に共振するように、その固有振動数を調節すること」「広辞苑 第七版」より)

とある。その違いは互いに異なる意見を受け入れるのかどうかである。前者は受け入れながら調和していく一方で、後者はそれを否定し、半ば強制的に併せるようになる。双方の2.にて書かれているものがそれを如実に表している。

本書における「チェーン」はまさに「同調」と呼ばれるようなものを表しているように思えてならなかった。ただし、本書における「チェーン・ピープル」はあくまで言動・身のこなしなどもあたかも量産ロボットのような形のような人たちが映し出される物語である。フィクションであるのだが、日本の風潮を風刺しているような気がしてならなかった。

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