ナウシカの飛行具、作ってみた 発想・制作・離陸—- メーヴェが飛ぶまでの10年間

「風の谷のナウシカ」は宮崎駿によってつくられたマンガで、1984年に映画化された。マンガとして連載が始まったのは1982年。あれから36年経つことになる。それを考えると、「古い映画作品」の分類に入り始めたとも言える。

そのナウシカの中で特徴的な要素はいくつかあるのだが、その一つに「飛行具」がある。その中の一つである「メーヴェ」を実際に作った方々がいる。そのメーヴェができるまで、そして実際に飛ばすとどうなるのかについて取り上げたのが本書である。

第1章「プロジェクト始動」
メーヴェをつくるプロジェクトはマンガや映画で出てくる飛行具を技術革新した今だからでこそ実現できるのではないかと思い、プロジェクトを立ち上げた。ちなみにこのプロジェクトはスタジオジブリや宮崎駿の非公式のものであったのだが、プロジェクト自体は伝えていたという。

第2章「グライダー機を飛ばす」
プロジェクトを立ち上げたのはよいのだが、パイロットを見つけるのにも壁があった。また飛行機エンジニアを見つけるなど人材を探すことが最初の課題となった。その課題を乗り越えると材料や技術的な課題が次々と出始めた。

第3章「舞台裏」
著者は会社経営をしているのだが、そのなかでプロジェクトを行うような事業部を立ち上げ、実際に会社のプロジェクトとして動くこととなった。

第4章「ジェットエンジン搭載」
メーヴェ開発するに際して様々なテストを行ってきたのだが、その飛行をするにあたっての心臓部にあたる、「ジェットエンジン」を購入することとなった。商品を選定し、パリで購入することとなった。さらには風の谷のナウシカのオブジェとして美術館前に展示するようにもなったのだという。

第5章「宇宙と空と」
東日本大震災によるプロジェクトの一時休止をはさんで、再開されることとなったが、ついに原寸大の大きさで飛行できるようになった。

マンガが連載されるようになったとき、映画が上映されたときはまさに「空想科学」と呼ばれるほどあり得ないように思えていた。しかし技術は年々進化し、実際にメーヴェがつくられるようになったほどである。技術革新はかつて空想と言われた産物はどこまでつくられるのか見物である。