グローバライズ

本書のタイトルなのだが、どうも「グローバリズム」を捩っているようにしか思えない。そもそも世界的・地球規模を意味しているのだが、そういった小説はなかなか見つからない。

もっとも本書は短編集であり、世の中のありとあらゆることなどを短編にして、一冊にまとめ上げている。しかしながらジャンル自体が多岐にわたっており、中には日本語で書いていない所もある(ちなみに何語で書いてあるのかは本書を見るとすぐ分かる)。

様々な要素が入り乱れる、あたかも「カオス」と呼ばれるような小説であり、どことない不思議さが際立つ小説である。おそらく小説を読む頻度や傾向により評価は二部されるのだが、まず言えるのは小説初心者には適さない。もっと言うと「玄人受け」するような小説である。小説のことをある程度知っており、どの分野にも精通している方々であれば、本書の奥深さが分かる小説である。そのため小説のみ雑食的に読まれているのであれば面白味があるのだが、そうでなければ適さない、ある種特殊な一冊である。