ショートショート・BAR

私自身書評で小説を取り上げることがあるのだが、実際に10年以上経っても小説を評することは苦手である。書評家の多くは小説を主軸としている人がほとんどであり、小説以外を得意としている人はごく限られているのかもしれない。

それはさておき、小説は苦手である一方で小説を読むのはそれ程苦ではない。もっと言うと本書のようなショートショートはむしろ好きの部類に入るのかもしれない。

その要因とは何かというと短編集だと十~数十ページに及ぶほどの量であるのだが、ショートショートの場合は5~6ページほど、もう少し長いものもあるのだが、だいたいこれだけで収まる。本書もまたそういった一冊であるのだが、ショートショートの次世代の第一人者であるが如く、そのヴァリエーションの幅は広い。ショートショートにしても青春、ミステリーといった小説の傾向に沿っていることも中にはあるのだが、本書はそういったジャンル的な差別がなく、ほとんどまんべんない分野を網羅している。本書に「BAR」であるが如く、その日の気分によって飲むお酒を変えるように、どこのショートショートを読むかで変わってくる。自分のような気分屋であれば、その日の気分によってどこを読もうかと毎日考えてしまう。そう言う意味では日によって読むショートショートを変えられ、楽しめる一冊が本書と言える。

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