業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊

ここ最近本屋を見ると「不動産投資」に関する話が多く、なおかつインターネットを除くとそれに関する記事が多く見られる。もっともここ最近は景気は傾き始めているのだが、それまではほぼずっと右肩上がりの状態であることから好景気の様相を見ている部分もある。中でも不動産は格好の「投資材料」としてそれに関する話が良く集まることから「不動産バブル」と言われてもおかしくないほどにあるとも言える。

本書の話に移る。その本書は不動産バブルについてはいつか崩壊し、その後の日本、もとい不動産業界はどのように変わっていくのか、そのことについて取り上げている。

第1章「不動産は、なぜ上がっているのか~上がる場所には理由がある」
不動産にしても上がる場所・下がる場所と2種類が存在している。その存在している2種類についてはある「理由」が存在するのである。中でも都心もさることながら、地方都市の駅から近いところ、あるいはターミナルになっている所にマンションが建てられ、それに関する投資が多くある印象もある。特に私の住んでいる所近辺で言うと武蔵小杉がその「上がる場所」の一つに挙げられるかもしれない。

第2章「なぜ都心は上がって郊外は下がるのか~不動産二重構造のわけ」
本章のタイトルを見てふと思いついたのが「多摩ニュータウン」の衰退である。高度経済成長期には「高嶺の花」と呼ばれるほど沸騰していた地域だったのだが、ここ最近は「ゴーストタウン」と言われる始末である特に先日「平成狸合戦ぽんぽこ」がテレビ再上映された議論の的になったほどである)。
それはさておき投資の世界でも郊外の人気は下がり、むしろ都心部が盛り上がっているという「二重構造」と言われているのだが、その要因とは何かを分析している。

第3章「やがてくる崩壊への序曲~予兆は束になって襲ってくる」
なぜ不動産の世界は再び「崩壊」するのか、そこには超高齢社会ならではの話で「相続」や「後継」といったことが往々にしてあるためである。そのことによって何が起きるのかというと、相続や後継の中で売却され「空き家」や「空き地」、さらには「空き集合住宅」なるものもできはじめてきた。その対策として2020年の東京オリンピックに向けた外国人観光客の宿泊地として「民泊」もできはじめているほどである。

第4章「不動産バブルが崩壊すると、何が起こるのか~その時、日本は」
不動産バブルが崩壊すると日本、もとい日本の不動産業界はどうなっていくのか、実を言うと過去にもそういった崩壊が1度起こっている。「バブル崩壊」がそれにあたる。バブル崩壊によって投資をしてきた人・企業が不良債権を抱えてしまい、倒産・破産するといったことが起こったことは印象にある。今回のバブル崩壊はそうなるのかというと必ずしもそうとは限らないのだという。

第5章「崩壊後にやってくる不動産パラダイス~ピンチがチャンスに変わる時」
バブル崩壊するとピンチと思ってしまうのだが、「ピンチはチャンス」といった言葉もあるように、新たなチャンスが生まれてくる。そのチャンスをつかみ取ることによって新たなパラダイスが生まれるのだという。

経済は様々な循環がある。その循環がおそらく30年の時を経て多かれ少なかれ繰り返しているような印象がある。今こそ不動産バブルにあるのだが、いずれ「崩壊」する。その崩壊は平成初期の「バブル崩壊」を教訓に、どう迎えるのか、そのことを知る上での参考資料となる一冊である。

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