人間に限らずとも、生物などの森羅万象はありとあらゆる形で進化をしている。その「進化」の過程は一つの「線」の如くつながっているのだという。本書はその線はどうなっているのかという、いわゆる「ライン学」と呼ばれる観点から森羅万象の進化について取り上げている。断っておくが、決してSNSツールの「LINE」ではなく、進化の過程における「線」を表している。
第1部「結び目をつくること」
「ライン」とひとえに言っても、進化における線もあれば、実物の「線」も本章にて出てくる。何かというと遺伝子における繋がりの線はもちろんのこと、細胞・細菌がどのような「線」を使って構成されているのかなどがある。その物理的な線には「結び目」があり、どのような役割を担うのかを取り上げている。
第2部「天候にさらされること」
天候における「線」というと「天気図」を連想する。特に風の方向や気圧などは「等圧線」
、さらには雨などに影響を与える「(寒冷・温暖・停滞などの)前線」がある。他にも風の流れや日光の流れなど天候における「線」を取り上げると枚挙に暇がない。
第3部「人間になること」
人間の進化の過程でも「線」をもって説明できるのかもしれない。また人間と「線」を考えると物理的な身体の構成、さらには行動における脳の動きなど「線」を使っていくと、線だらけになってしまうのかもしれない。
そもそも「ライン学」とは何かというのは語るにも難しいのだが、生態にまつわることにつながりを持っていることは確かである。ライン学を考察して行くにあたり、哲学にしても、生物学にしても、人類学にしても、様々な「線」をつなげることができる。またその線の在り方は考察を行っていく中で変わってくる。「ライン学」は実に奥が深い。
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