MONTH

2020年4月

未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来

日本を始め多くの国で採用されている経済システムである。もちろん「資本主義」とひとえに言っても、細部を鑑みるといくつか存在するのだが、本書では広義の意味での「資本主義」を指しているのだが、そもそもの「資本主義」はいくつもの岐路に立たされることがあった。最近のコロナショックもあれば、一昔前のリーマン・ショックでも同じように資本主義のあり方が問われるようになる。現にリーマン・ショックの時は資本主義を批判 […]

怪獣生物学入門

何とも奇妙な生物学である。 元々怪獣というと、ゴジラやガメラなど創作の中で生まれた存在であり、空想の生き物である。しかしながら著者はそれを生物学的に考察を行うことを試みたという。もっとも身体的な特徴は実物を見たり、時には解剖したり、と言ったことがあるのだが、ただ一つ思いつくものとして「「進撃の巨人」と解剖学 その筋肉はいかに描かれたか」で書評を行った時に巨人たちの筋肉を解剖するというものがあったが […]

銀河帝国は必要か?

もはやAIの技術が進化しており、ロボットが接客をすると言った時代にも入っていたとも言われている。もっともロボットにより人間の働ける所が少なくなってくると言った論者もおり、果たしてそうなるのかはこれからの技術革新になってからという他ない。 本書で紹介するのはロボットが一連の倫理的な行動から反する、あるいはありもしないようなことが起こりうると言ったことをSF小説にして指摘した、SF小説の大家であるアイ […]

入門 万葉集

昨年の5月1日に、30年以上続いた「平成」の時代が終わり、元号が「令和」に改められた。もう間もなく1年の時を迎える。 そもそも「令和」は、この万葉集から取られており、原文では、 「于時初春『令』月 氣淑風『和』 梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香」(巻五、梅花謌卅二首并序) から来ている。令和の部分を取っていくと、 「時は初春の『令(よ)』い月で、空気は美しく、風が『和』やかで~」 と訳せる。決して命令の […]

プラトン哲学への旅―エロースとは何者か

古代ギリシャの哲学において重要な人物は何人もいるのだが、本書で取り上げる人物はその中でもプラトンの哲学について取り上げている。プラトンはソクラテスの弟子であり、なおかつアリストテレスの師でもある。プラトンの哲学というと「イデア」と呼ばれる理論が有名であると同時に、ソクラテスの足跡を書面で残したという功績もある。そのプラトンの哲学はどのようにして醸成していったのか、本書では著作の一つである「饗宴」を […]

この国のたたみ方

本書のタイトルを見ると、何やらお店を閉店するようなニュアンスのように思えてならない。しかしながら本書は国を「終わらせる」と言う意味での「たたむ」ではない。国家として、地方としての風呂敷をたたんで小さくすると言う意味で「たたむ」である。その風呂敷の多くなった国をいかにして「小さな国家」としての日本をつくり上げるのか、そのことについて取り上げている。 第1章「広げすぎた風呂敷をたたもう」 もともと風呂 […]

宇宙はなぜ哲学の問題になるのか

宇宙は解明できていないものが多くあり、実際に無限なのか有限なのかも未だに不明である。もっとも人間の思考の域を遥かに超えていることは明らかだが、実際に「どこまで」というのは未だに分からない。 もっとも宇宙論を哲学で語るのは難しいように思えるのだが、実際に科学にしても、数学にしても、その根源を辿っていくと「哲学」に帰している。 そもそも哲学における「宇宙」はどのように論じてきたのか、哲学の歴史と宇宙解 […]

増補版 大平正芳 理念と外交

ご存じの方は今となってそれ程多くないものの、大平正芳は昨今の日中・日韓の国交を築いた人物であり、なおかつ保守政治家の大家であった。通称「アーウー宰相」や「讃岐の鈍牛」と言われ、なおかつ知性派として辣腕を振るった。しかしながら自民党の分裂による解散により首相のまま逝去したとも知られている。 生誕して110年、没して40年というちょうどの節目に大平正芳の生涯を追っているのが本書である。 第1章「「楕円 […]

SDGsとは何か?―世界を変える17のSDGs目標

ここ最近出てくる「SDGs」は「Sustainable Development Goals」という綴りの頭文字などから来ており、日本語にすると「持続可能な開発目標」という。もっともこれは今から10年後にあたる2030年までに持続可能な社会とするための指針として2015年の国連総会で採択されたものである。「SDGs」は国や自治体を飛び越え、民間企業でも経営的な観点から導入されることもあれば、これから […]

気候を人工的に操作する―地球温暖化に挑むジオエンジニアリング

ここ最近天候の振り幅が大きいような印象である。台風にしても「最強勢力」と呼ばれるようなものがほぼ毎年のように日本を襲うようなものがあり、真夏になると、晴れて気温が40℃を超えてしまうような酷暑になることも少なくない。 もっとも天候は自然現象であり、コントロールできないような印象を持たれるのだが、実際には、その気候について人工的に操作する試みが行われているという。その名も「ジオエンジニアリング」と呼 […]