ここのところ国の根幹を動かす役割を担う「官僚」は本当の意味で、色々な目で見られる。一部官僚の不祥事による白い目、非正規の惨状を憂う哀れな目、国難に対してなかなかことが進まない怒りの目などがある。
本書はその官僚の世界に飛び込み、日夜国の問題に取り組む姿を映し出している。もちろん国に関して重要なものであるため、毎日終わるのは深夜になり、残業時間も月数百時間になるなど、ブラック企業も顔負けとも言える状況にある。もっともこれは事実であり、河野太郎が国家公務員制度担当大臣に就任したときに明るみに出て、改革へのメスを入れ始めたとも言える。
それでもなお、国を良くしたいと意気込み、官僚の世界に足を踏み入れる人々は少なくない。本誌もまたその想いから入ったのだが、そこには思っていた以上に苛烈な「現実」だった。「現実」に立ち向かいながらも一つ一つ問題を解決していく姿がそこにあった。またその一方で本書をつくり上げる際に多くの官僚への取材を行った跡が所々見られ、生々しく描かれていたことも印象的だった。
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