革命キッズ

「革命」や「反体制」などにおける「運動」は今も昔も存在するのだが、かつては「1968」前後にあった学生運動や六十年安保などが大きくあり、その後にはベトナム戦争反対運動なども存在した。ここ最近では2015年安保などがあり、特にSEALDsの登場により、デモを含めた運動は盛んに行われてきた。

本書はその安保を含めた反対運動とは似ているのだが、架空の条約批准の賛成・反対が激しく対立していく中で、特に反対向けた、あるいは反権力に向けた運動について取り上げているのが本書である。

本書の帯には痛快に書かれているとあるのだが、実際の学生運動の本を見てみると、むしろ喧噪とした中でバリケードを作り、籠城すると言うような運動がいくつも存在した。特に学生闘争の多くは学費の値上げに反対、大学によっては理事会などの糾弾を目指したものもあった。重々しい中での闘争を行ってきた歴史があったのだが、本書はあくまで創作の面で痛快に彩られているから、ドロドロとした部分は少なくつくられている。