カラー版 王室外交物語 紀元前14世紀から現代まで

6月2日、イギリスのエリザベス女王が即位70周年を迎え、記念行事が実施された。イギリス、もといイングランドの王の中で最も在位の長い君主であり、世界的に見ても、日本の昭和天皇、タイのラーマ9世、スワジランドのソブーザ2世などごくわずかである。

イギリスには女王を始め王子・王女などの「王室」があり、海外において「王室外交」も存在する。日本では天皇陛下をはじめとした皇室があり、皇室を通した外交を「皇室外交」と呼ぶ。

もともと国の外交は日本では外務大臣をはじめ、外交官において行われる事が多いのだが、特別な交渉や交流と言った所では国家元首のほかに王室も関わることが歴史を紐解いても数多くある。さて、「王室外交」は歴史において、どのような位置付けであり、イギリス・日本ではどのような意味合いを持っているのか、そのことについて取り上げている。

第一章「「外交」のはじまり――文明揺籃の地から」

「外交」はいつ頃からあったのか。紐解く所としては「文明」や「国家」といった概念が生まれた所から遡る。本書のサブタイトルにもある紀元前14世紀とあり、ツタンカーメン王が在位していた時代にまで遡る。なぜその時代かというと、その時代における「外交文書」が発見された所にある。その時代から「外交」という概念が生まれ、国王自ら他国へ行くこともあれば、使者を他国に遣わすこともあった。

第二章「近代外交の夜明け――15世紀イタリアから」

近代における「外交」という概念が生まれたのは15世紀、イタリアにてあったとされている。その時にはよく国内外において「大使館」がある。その大使館の概念ができたのがこの時期であった。大使館を通して外交を行い、なおかつ各国との繋がりを持つという意味合いで作られた。なぜイタリアなのかというと、当時はオスマン帝国やハンガリー王国などの国々が周囲にあるなどの事情もあった。

第三章「宮廷外交の黄金時代――1520~1913年」

その大使館はイタリアを起点に、ヨーロッパ各国にも広がりを見せるようになった。やがて外交は迎賓を行い、贅沢を争う「饗宴外交」へと変わっていった。また外交は「国際会議」といった複数の国との会議を行い、講和を行うといったこともあった。先述の「饗宴外交」は数々の革命にさらされ、やがて衰退していった。

第四章「エリザベス二世の王室外交」

冒頭でも述べたように6月2日にイギリス女王のエリザベス二世が即位70周年を迎えた。この70年の中で王室外交を幾度も行っており、日本にも1度だけであるが、来日している。他にも各国王族・元首との外交も行っているが、どのようなエピソードがあったのかも取り上げている。

第五章「皇室外交への示唆」

もちろん日本でも皇室があり、来日した王族を迎賓して外交を行う事もあれば、諸外国を外遊し、現地で外交を行う事もあった。明治、大正、昭和の各天皇や上皇陛下、さらには現在の天皇陛下の外交について追っている。

現在も国家元首のみならず、王室・皇室関わらず外交は行われている。その中で国交をより良いものにして行き、国益をもたらす部分として大きな影響力を持っていることは間違いない。それは本書にある歴史において証明している。

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