ぐるり

人の生きる道も季節と同じように、ぐるりと巡る。それは人の出会い別れもまた同じようなものなのかもしれない。その人との出会い・別れ、さらにはすれ違いなどの交錯がふんだんに盛り込まれている小説集の一冊である。短編集のようにも見えるのだが、短い作品もふんだんに盛り込まれているため、どちらかというとショートショートと言える。

実は著者自身作家であるものの、作詞家、バンドミュージシャン、ラジオパーソナリティなどあらゆる仕事を経験してきた。その中での出会い・別れ・すれ違いをあらゆるキャラクター・シチュエーションにて描かれている。

日常の中にある模様の中には、身近なようでいて、ぐるりと巡る人びとの大切さがいかに重要であるかがよくわかる。なおかつ自身の体験ともオーバーラップしてしまうのもまた本書の面白味としてある。