人生は何が起こるのかわからない。会社勤めの人でも突然倒産やリストラに遭い、仕事そのものが無くなってしまうようなこともある。ここ最近の風潮から副業や複業が条件の差はあるものの認められているケースも出てきており、それを利用して別の仕事、もしくは好きな事や趣味などを活かしているケースもある。
そこで本書である。本書は50代に入り、仕事においても陰りを見せ、さらにリストラを受けて、ライター業を行ったが、その軌道に乗ったエピソードを交えて、定年に向けてライターとしての副業を行うところを伝授している。
第1章「入門編―副業でライティングをはじめてみよう」
かつては「副業禁止」と規則にて設けられている企業もほとんどだった。しかしながら原則的に副業が認められる風潮ができてからは、徐々に副業・複業が認められる企業も出てきている。もっとも複業というと給料が入らないからといった後ろ向きの理由で行う人もいるが、「手に職をつける」が如く、仕事以外の場で培ったスキルをもって副業・複業を行う人もいる。
本書はあくまでライターを主軸としているため、実際にどのようにライティングの仕事を行ったら良いかを示している。もちろんやり方もあれば、「選び方」もある。
第2章「中級編―いろいろな可能性に挑戦してみよう」
そもそも「ライター」と言っても、様々である。ある人はゲーム雑誌やwebにて記事を出しているのだが、人脈が広がっていくことにより、声優や俳優などマルチに活躍しているケースもあれば、文章術などの本を出すような人もいる。ライターも大小、さらには種類も多種多様であるため、どのような所を行った良いか迷うところもある。あらゆる可能性をもって挑戦を行うことを説いている。
第3章「上級篇―もう少し稼いでみよう」
よくライターの仕事となるとクラウドソーシングで受ける人も少なくない。しかしここではそこから発展し、守備範囲を広げインタビューや電子書籍などの仕事に挑戦を行い、さらに稼げるライターになっていくことを明かしている。
第4章「応用編―本を書く仕事に挑戦してみよう」
最後はブックライターである。自身で書く人もいれば、インタビューを行い、それを本にまとめると言った事を行う人もいる。ゴーストライターと言えばそれまでかもしれないが、書籍にてまとまった文章を書くとなると、相当な文字数をこなさなくてはならず、なおかつ「校正」という手直しが必要になるため、膨大な時間を要する。書籍を出せるようなコンセプトや考え方を持っていても、文章がなかなかうまくない、あるいは書く時間が無い人にとってブックライターは重宝される。
そのブックライターとして仕事をもらったり、紹介を受けるにはどうしたら良いかを取り上げている。
かくいう私もかつてはライター業を行った事がある。もっと言うとこの書評もまたライティングの一つであるため現在進行形で「ライターやっている」といったらその通りかも知れない。
私事はさておき、ライター業はピン・キリの差はかなり広く、なおかつ仕事として食べていくためにもあらゆるチャレンジを行っていく必要がある。しかし「広さ」はチャンスの幅とイコールにもなり得る。一つの仕事にそのまま尽くすのも人生であれば、ライターなど他の仕事に触れていき、可能性を広げていくのもまた人生である。しかもそのチャレンジに年齢制限はない。本書のように50代からスタートしても大成していくのだから。
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