書評 2センチの隙間 2センチというとわずかであるのだが、そのわずかな距離には光と闇がある。本書はタイトルにある作品を含めた3作品が収録されているのだが、表題作は「2センチ」の距離の長さを垣間見ることができた。 物理的にはかなり短いように見えるのだが、部屋として... 2019.07.29 書評青春
書評 パリンプセスト 本書のタイトルである「パリンプセスト」は本来、 「書かれていた元の文を消して,その上に別の文を書き写したもの。羊皮紙が不足した中世には古い羊皮紙写本が時々このように使われた」(「大辞林 第三版」より) とある。本書はそういった意味ではなく、... 2019.07.19 書評青春
書評 ラストラン ランナー4 本書は高校生ランナーの青春を描くシリーズ「ランナー」の最終巻にあたる一冊である。最後の一冊であるだけに、本書の舞台は高校最後の大会である。しかしその大会までには不祥事が起こってしまい、ライバルとの対決ができなくなってしまった。 再戦を期待し... 2019.07.05 書評青春
書評 我ら荒野の七重奏 私自身吹奏楽部を中学・高校とやっていたことから吹奏楽に関する物語や本などは親近感がある。その吹奏楽部は私自身も体験したことがあるのだが、学校によっては朝から晩までずっと練習に明け暮れるようなことがあり、私が高校時代の時には一時期土日と合宿し... 2019.07.03 書評青春
書評 猫は抱くもの 人と猫、一見接点がないように見えて、実は接点が存在する。そのことを示している一冊と言える。 猫も人間も何人・匹と出てくるのだが、それぞれの物語があり、それぞれ人と猫との関わりが人間と共有するところ、共感するところ、相反するところなど様々であ... 2019.06.24 書評青春
書評 夜姫 本書は新宿歌舞伎町のキャバクラの女王と、その女王に怨恨の感情を持つ女性が歌舞伎町で闘うというものである。もっとも「闘う」といっても武器でのドンパチではなく、キャバクラ内におけるお客・売上の争奪戦と言ったものであり、いわゆる「お水」と呼ばれる... 2019.06.09 書評青春
書評 僕は金になる 「金」は「かね」と詠んでしまいそうになるのだが、表紙にもあるように将棋の「金将」から「きん」と読む。しかしながら本書は将棋は将棋でも、「賭け将棋」と呼ばれるため、「かね」と言われてもおかしくない。また将棋以外にもギャンブルなどもあるため「か... 2019.06.01 書評青春
書評 いつか深い穴に落ちるまで 「深い穴」という言葉がどれだけ意味深なのかということを本書でもって感じさせられた一冊である。本書はまさに「深い穴」というのが物理的に明示されているだけでなく、本書の背景そのものにある所での暗喩としても使われるため、重要なキーワードと言っても... 2019.05.30 書評青春
書評 厨師、怪しい鍋と旅をする 何とも奇怪な鍋があったものかと思ってしまった。本書はファンタジー小説の類に入るのだが、とある厨師(ちゅうし、料理人のこと)が鍋と出会うことから物語が始まる。しかしながらその鍋は、 「この鍋、作らないでいると人を襲います」(帯紙より) とある... 2019.05.19 書評青春
書評 トッピング 愛とウズラの卵とで~れえピザ ピザはトッピングが様々であるため、つくる立場でも食べる立場でも面白い(もっとも私はつくったこと自体数えるほどしかないのだが)。その中には日本でしかできないモノ、さらにはその日本の中でも特定の地域でしかつくれないものまである。 本書はその中で... 2019.05.17 書評青春