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『貞観政要』を読む

シリーズ「『貞観政要』を読む」~11.巻十<行幸><畋獵><慎終>~

<論行幸第三十六> 貞観政要最後となる巻十の最初は「行幸」について議論をしたところから始まります。 「行幸(ぎょうこう)」とは、 「君主が宮殿の外に行くこと。その行く先に幸福が生まれることを表す」(「貞観政要 下 新釈漢文大系 (96)」p.752より一部改変) と言います。 ————————̵ […]

シリーズ「『貞観政要』を読む」~10.巻九<征伐><安邊>~

<論征伐第三十四> 「征伐」は簡単に言うと他国への「戦争」を意味します。「天下太平」にほど近い太宗の時代でも他国への侵攻もありましたが、他国からの宣戦を受けることもあり、戦禍は絶えませんでした。 —————————- 太宗謂曰:「我與突厥面自和親,汝則背之,我無所愧,何輒將兵入我畿縣,自誇強 […]

シリーズ「『貞観政要』を読む」~9.巻八<務農><刑法><赦令><貢賦>~

<論務農第三十> 巻八の冒頭は農業政策について論じた所です。 —————————- 貞觀二年,太宗謂侍臣曰:「凡事皆須務本。國以人為本,人以衣食為本,凡營衣食,以不失時為本。夫不失時者,在人君簡靜乃可致耳。若兵戈瘻動,土木不息,而欲不奪農時,其可得乎。」 ——R […]

シリーズ「『貞観政要』を読む」~8.巻七<儒學><文史><禮樂>~

<崇儒學第二十七> 中国大陸や朝鮮半島で重宝された「儒学」の重要性について議論をしたところです。 —————————- 貞觀二年,太宗謂侍臣曰:「為政之要,惟在得人。用非其才,必難致治。今所任用,必須以德行、學識為本。」諫議大夫王珪曰:「人臣若無學業,不能識前言往行,豈堪大任?漢昭帝時,有人 […]

シリーズ「『貞観政要』を読む」~7.巻六<倹約><謙譲><仁惻><慎所好><慎言語><杜讒邪><悔過><奢縱><貪鄙>~

<論儉約第十八> 巻六の最初は倹約について議論を行ったところです。太宗の政治の特徴の一つとして、民のために、自ら「倹約(節制)」に徹したと言われています。 —————————- 古人雲:『不作無益害有益。』『不見可欲,使民心不亂。』固知見可欲,其心必亂矣。至如雕鏤器物,珠玉服玩,若恣其驕奢, […]

シリーズ「『貞観政要』を読む」~6.巻五<仁義><忠義><孝友><公平><誠信>~

<仁義第十三> 巻五の最初は、人間としての根本の一つである「仁義」とは何かについて君臣と臣下が議論を行ったところです。 —————————- 貞觀元年,太宗曰:「朕看古來帝王以仁義為治者,國祚延長,任法禦人者,雖救弊於一時,敗亡亦促。既見前王成事,足是元龜,今欲專以仁義誠信為治,望革近代之澆 […]

シリーズ「『貞観政要』を読む」~5.巻四<太子諸王定分><尊敬師傅><教戒太子諸王><規諫太子>~

<太子諸王定分第九> 君子の子供である太子との接し方について説いた章です。 —————————- 昔魏武帝寵樹陳思,及文帝即位,防守禁閉,有同獄囚,以先帝加恩太多,故嗣王從而畏之也。此則武帝之寵陳思,適所以苦之也。且帝子何患不富貴,身食大國,封戸不少,好衣美食之外,更何所須。而毎年別加優賜, […]

シリーズ「『貞観政要』を読む」~4.巻三<君臣鑒戒><擇官><封建>~

<君臣鑒戒第六> 巻三の最初は君臣としてのあり方・戒めについてのやりとりを取り上げたものです。 —————————- 貞觀六年,太宗謂侍臣曰:「朕聞周、秦初得天下,其事不異。然周則惟善是務,積功累德,所以能保八百之基。秦乃恣其奢淫,好行刑罰,不過二世而滅。豈非為善者福祚延長,為惡者降年不永。 […]

シリーズ「『貞観政要』を読む」~3.巻二<任賢><求諫><納諫>~

<任賢第三> 第二巻の最初は「任賢」ですが、ここでは君主に使え、諫言を行った臣下たちを詳しく紹介しております。 1.房玄齡 —————————- 房玄齡,齊州臨溜人也。初仕隋,為隰城尉。坐事,除名徙上郡。太宗徇地渭北,玄齡杖策謁於軍門,太宗一見,便如舊識,署渭北道行軍記室參軍。玄齡既遇知己, […]

シリーズ「『貞観政要』を読む」~2.巻一<君道><政體>~

さて、今日から貞観政要の中身に入っていきます。ただ、全文取り上げる事は難しいため、それぞれ重要なエッセンスとなるところを取り上げ、解説していく形といたします。漢文も取り上げますが、あくまで「解説」ですので通釈や古語訳、日本語訳はしません。ご了承ください。 <君道第一> 最初は「君主」としてのあり方としてどうあるべきかのやりとりを集めています。ちょうど太宗が皇帝に即位し始めた頃であり、このころから臣 […]